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荒川和久

荒川和久

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独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

報告

見解若者が「給与」でしか就職を考えなくなったというより、かつては分厚い中間層があり、給与格差もほぼなく、まあまあの給与がある前提だからこそ「自分にとってその仕事が魅力的か」という選択軸が重要になっていただけなのだろう。今は、その大前提の「給与」第一優先で考えるざるを得ないという結果なのかもしれない。 しかも、2015年以降からの推移で変化が起きているのが興味深い。 実は2014年迄は、若者が抱く結婚・出産可能年収(いくら年収があれば結婚・出産できるか)は実態としての若者の年収とそれほど乖離していなかった。が、2015年以降潮目が変わり、実態年収はあがらないのにこの可能年収だけ爆上がり。結果、それ以降可能年収を超えた者だけが結婚・出産できるという状態、すなわち中間層の若者の婚姻と出生が減った。 若者の価値観が変わったのではなく、彼らを取り巻く環境の変化が若者の思考や行動の幅を狭めてしまっている。

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コメンテータープロフィール

荒川和久

独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。

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