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阿古智子

阿古智子

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東京大学 総合文化研究科 教授

報告

解説今年は米軍が当時の在ユーゴスラビア中国大使館を誤爆してから25年目に当たり、今回の習近平氏のセルビア訪問はその節目に合わせた形になった。セルビアは中国にとって欧州の中でも特に親中的な国であり、欧米諸国との激しい駆け引きを展開している中国にとっても、セルビアとの関係は欧米や北大西洋条約機構(NATO)を牽制する上で重要である。セルビア系住民が多数派を占めるコソヴォ北部では昨年5月、抗議デモを起こしたセルビア系住民らが警察やNATO平和維持部隊と衝突している。コソヴォは、アメリカやEU主要国などが承認して独立しており、欧米諸国はコソヴォ当局が北部の状況を不安定にしていると批判している。一方、ロシアはセルビアや、コソヴォ内のセルビア系住民の大半を支援してきた。

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    エコノミスト/経済評論家

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コメンテータープロフィール

阿古智子

東京大学 総合文化研究科 教授

1971年大阪府生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。大阪外国語大学、名古屋大学大学院を経て、香港大学教育学系Ph.D(博士)取得。在中国日本大使館専門調査員、早稲田大学准教授などを経て、2013年より現職。主な著書に『貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告』(新潮選書)、『超大国中国のゆくえ―勃興する民』(新保敦子と共著、東京大学出版会)、『香港 あなたはどこへ向かうのか』(出版舎ジグ)など。

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