インフルエンザ「過去最多」の地域多数 解熱薬の常備を 診断書・治癒証明書を求めないで #専門家のまとめ
多くの地域で歴史的なインフルエンザの感染者数を記録しています。国内では1999年から発生動向が調査されていますが、「過去最多」が報告されている地域がたくさんあります。解熱薬・抗ウイルス薬・診断書・治癒証明書を求めて受診する人も増えていますが、重症化リスクが高い人の医療資源・医療アクセスを保つ必要があります。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
年始早々、行列ができている医療機関があります。熱などでつらい症状があるため受診していると思いますが、中には行列の待ち時間を余裕で我慢できそうな元気な方もいらっしゃいます。
インフルエンザの治療薬であるタミフル(オセルタミビル)のジェネリック医薬品の供給が一時停止となっています。想定を超える感染者数と薬剤需要の高まりによるものですが、抗ウイルス薬はインフルエンザの全例に必要というわけではありません。半日~1日程度、有熱期間を減らす効果がありますが、「特効薬」と言えるほどではありません。
軽症かどうかの見極めが重要ですが、飲水が可能で「風邪っぽい」程度の方は、受診の必要性は低いでしょう。地域全体で、子ども、重症化リスクが高い基礎疾患がある人、高齢者などへの医療資源・医療アクセスを維持する必要があります。そのため、日頃から解熱薬を常備しておくことをおすすめします。
また、医師によるインフルエンザの診断書・治癒証明書は医学的に不要です。厚生労働省からも「診断書・治癒証明書の提出を求めないように」という通達が出されていますが、いまだにこれが適用されていない園・学校・企業があります。