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一生に一度は訪れたい「昭和レトロな温泉街」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

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温泉地の魅力のひとつとして挙げられるのが、歴史ある街並みだろう。長い歴史をもつ温泉地ほど、情緒ある木造旅館や古刹などが残っているものだ。そんなレトロな雰囲気の温泉街を散策するのも温泉旅の楽しみである。

そこで、今回は一生に一度は訪れたい「昭和レトロな雰囲気が漂う温泉街」を5カ所紹介したい。

銀山温泉(山形県)

銀の採掘によって栄えた山あいの温泉地。銀山川の両岸に大正から昭和初期にかけて建てられた木造の多層建築旅館が立ち並ぶ。川に架けられた多くの橋、石畳の歩道などが湯の街情緒を醸し出し、夜間はガス灯の光が幻想的な風景を演出する。どこを切り取ってもフォトジェニックな温泉街である。ただ、外国人観光客にも人気が高く、12月20日から日帰り観光客は入場制限が実施されることが決まっている。宿泊でゆっくり訪ねたい温泉地である。

伊香保温泉(群馬県)

365段の石段街に旅館や店舗が立ち並ぶ。昔ながらの射的場や昭和感の漂うスナックもあり、タイムスリップした気分にもなる。石段街の脇の路地にはいい具合に寂れた景色が広がり、寄り道をしながら温泉街を散策するのが楽しい。歴史ある源泉「黄金の湯」は、茶褐色の濁り湯が特徴の名湯だ。石段街をのぼりきった先にある「伊香保温泉露天風呂」は気軽に入浴できる。

三朝温泉(鳥取県)

三徳川に沿って形成される三朝温泉は、日本有数の放射能泉の名湯として知られる。昔はストリップ劇場のあるような歓楽温泉として賑わったが、現在は昭和レトロを醸し出す落ち着いた温泉地である。湯浴み客が立ち寄る名物が、河川敷にある河原露天風呂。開放的なロケーションの混浴で、温泉街の原風景を垣間見ることができる。

肘折温泉(山形県)

山あいに湧く静かな温泉地だが、伝統的な湯治場の景観が今も残る。車がすれ違うのも困難な狭い通りの両側に旅館や商店がびっしりと連なる。昔からの街並みがそのまま保存されている証拠だ。長期の湯治客が多いのも特徴で、日用品や食料品をそろえた商店もある。早朝、温泉街に朝市が立つのも見どころのひとつで、浴衣姿で買い物をする湯治客の姿も見られる。できることなら連泊して昔ながらの湯治を体験してみたい。

日奈久温泉(熊本県)

漂泊の俳人・種田山頭火にも愛された港町の温泉で、昭和レトロな街並が魅力だ。温泉街には、十数軒の旅館と2軒の共同浴場、日帰り専門の温泉もある。もともと湯治場の性格をもつ温泉地なので、華やかさはないが、静かで落ち着いた湯の街情緒を味わいたい人にはおすすめ。参勤交代でも使われた薩摩街道が温泉街の中央を南北に走っており、木造旅館やなまこ壁の商家など郷愁を感じる景色が続く。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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