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東京都 海の幸「30%還元」に見るQRコード決済シェア

山口健太ITジャーナリスト
最大30%還元を実施中(東京都のWebサイトより、筆者作成)

10月27日から、東京都内のすし店や鮮魚小売店において「最大30%」のポイントを還元するキャンペーンが始まっています。

このキャンペーンでは対象店舗のリストが公開されており、QRコード決済の最新シェアをうかがい知れる興味深いデータになっています。

ほぼすべての店がPayPayに対応

ポイント還元の対象となるQRコード決済サービスとしては、「au PAY」「d払い」「PayPay」「楽天ペイ」の4種類に対応しています。

キャンペーンのWebサイトには対象店舗のリストが公開されており、どの店舗でどのサービスが使えるのか、簡単に分かるようになっています。

これを集計してみると、QRコード決済サービスごとの力関係や最新シェアの一端が見えてくるというわけです。

リストに掲載されている店舗数は1212店で、一部は11月6日以降に利用可能となっています。これは「利用可能」としてカウントしました。

結果は以下の通り。QRコード決済に対応しているお店のうち、99%でPayPayが使えるという圧倒的な結果になりました。

・au PAY対応店舗 574店(47%)

・d払い対応店舗 638店(53%)

・PayPay対応店舗 1203店(99%)

・楽天ペイ対応店舗 498店(41%)

念のため、QRコード決済に対応していないお店はこのリストに含まれていません。ほかに、クレジットカードや電子マネーのみ使えるお店も多数あると考えられます。

ただ、QRコード決済が使えるお店というくくりでは、PayPayがずば抜けていることが分かります。

PayPayのもう1つの特徴は、「QRコード決済は、PayPayだけに対応している」という店舗の多さです。1212店中470店と、約4割を占めています。

PayPayの加盟店はソフトバンクの営業部隊が全国を練り歩いて開拓したことで知られていますが、現在でも他の決済サービスとは一線を画していることがうかがえます。

逆に、「au PAYのみ」「d払いのみ」「楽天ペイのみ」に対応した店舗はほぼ存在しません。PayPayに加えて何らかのQRコード決済に対応する形が基本で、1212店中733店と約6割を占めています。

チェーン展開するブランドなどを中心に、4つのQRコード決済すべてを取り扱うお店も増えているようです。1212店中417店と、3割強に達しています。

「QRコードでクレカ払い」も可能

ポイント還元を受けるための条件は決済サービスごとに異なるので、事前によく確認することをおすすめします。

・au PAY

お寿司屋などがおトク!対象店舗にてコード決済ご利用で最大30%のau PAY 残高還元

・d払い

食べて応援!海の幸キャンペーン|d払い - かんたん、便利なスマホ決済

・PayPay

食べて応援!海の幸キャンペーン - キャッシュレス決済のPayPay

・楽天ペイ

「楽天ペイ」、東京都内で実施する最大30%還元「食べて応援!海の幸キャンペーン」に参加

還元上限はQRコード決済サービスごとに1000円であることから、各サービスごとに3333円程度の支払いをすると、獲得ポイントを最大化できる計算になります。

金額的には「残高払い」に向いているとはいえ、もう少し大きな金額になる場合に備えて、クレジットカードを紐付けておくと便利でしょう。

たとえばPayPayの場合、PayPayカードを登録して支払う「クレジット(旧あと払い)」であれば、ポイント還元の対象となっています。

お店での支払い時には通常通りQRコードを利用し、実際の請求はクレカに来るという形になります。残高を気にせず利用できるスタイルとして使いこなしたいところです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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