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【インフルエンザの疑いがある時】使用が推奨される解熱剤は?

鈴木伸悟薬剤師

セルフメディケーションが推進される中で、ドラッグストアなどで市販薬を自分で選んで購入されている方も多いでしょう。これからの生活に役立つ市販薬の選び方や知識を市販薬に精通した現役薬剤師が伝授します。

インフルエンザが流行

インフルエンザが流行しております。インフルエンザや新型コロナなど、体調不良時に備え、検査キットや市販の解熱鎮痛薬など常備薬を準備している方もいらっしゃるでしょう。年末年始やお盆休みなどは医療機関もお休みとなるところもあるため、市販薬を備えておくことで役に立ちます。ただし、発熱や咳などの症状がひどい場合や息苦しさがある場合、軽症であっても高齢者や持病がある方など重症化リスクのある人などは、医療機関への受診を優先するようにしましょう。

インフルエンザの時の解熱剤には、アセトアミノフェンを選ぶ

発熱や寒気の症状に、まずは市販の解熱鎮痛薬で対処して様子をみることができるでしょう。ただし、まわりでインフルエンザが流行しているなど、インフルエンザの疑いがある場合には、アセトアミノフェンのみを配合した解熱鎮痛薬を選ぶとよいでしょう。商品例としては『カロナールA』などがあります。またアセトアミノフェンを配合する商品は、商品によって使用できる年齢が異なるため注意してください。

【商品例】

カロナールA(15歳以上)、タイレノールA(15歳以上)、バファリンルナJ(7歳以上)、小児用バファリンチュアブル(3歳~15歳未満)など

インフルエンザにアスピリンなどは要注意

市販の解熱鎮痛薬には、他にも「アセチルサリチル酸(アスピリン)」や「ロキソプロフェン」「イブプロフェン」などがあります。ただし、アスピリン(アセチルサリチル酸)などは、インフルエンザに使用すると、インフルエンザ脳炎・脳症の発症リスクを高めたり、重症化する危険性があるとされています。そのため、インフルエンザには、リスクが少ないアセトアミノフェンの使用が推奨されています。

必要なタイミングで解熱剤を服用しましょう

高熱が続くと脱水症状や体力消耗のリスクとなり、また40度を超えるような高熱は身体に悪影響となるため、解熱剤を服用することが大切です。ただし、38度付近までの発熱であれば正常な免疫反応によるものであるため、倦怠感などが軽度であれば、必ずしも「解熱剤を服用して熱を下げないといけない」というわけではありません。

今回は、インフルエンザの疑いがある時に使用できる解熱鎮痛薬についてお話ししました。市販薬の選択に困ったときは、薬剤師や医薬品登録販売者に相談して購入するようにしましょう。

薬剤師

昭和薬科大学薬学部卒業。薬局に勤務する現役薬剤師。OTC医薬品(市販薬)の役立つ情報をSNSで発信するほか、メディア出演、全国各地での講演会、コラムの連載を複数持つなど多方面で活動している。著書『薬局OTC販売マニュアル 臨床知識から商品選びまで分かる(日経BP)』

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