【NHL】17年ぶりの「もう一つのドラフト」 優勝GKはリベンジを目ろみピッツバーグに別れを告げる!
ピッツバーグペンギンズが2連覇を果たして、今季のNHLは全ての試合を戦い終えましたが、オフに入ってもファンが楽しみにしているイベントが続きます。
昨日は未来のスターたちが指名を待つ「NHLドラフト」に注目しましたが、
今日は17年ぶりに行われる “もう一つのドラフト” を紹介しましょう。
それは「エクスパンションドラフト」です。
▼新規加盟チームの戦力アップが目的
エクスパンションドラフトは、新たに加盟するチームが、ルーキーや戦力外になった選手を集めるだけでは十全な戦力を得られないことから、既存の加盟チームから戦力を補強するのが目的。
来季から「31番目のチーム」として ベガスゴールデンナイツ が新規加盟するのに先立って、コロンバス ブルージャケッツ と ミネソタ ワイルドが新規加盟した2000年6月以来、17年ぶりに行われます。
▼既存のチームは主力をプロテクト
しかし、既存の30チームとすれば、アレックス・オベチキン(ワシントン キャピタルズ)や、シドニー・クロスビー(ピッツバーグ ペンギンズ)のようなチームの、、、もとい”NHLの顔” になっている大黒柱を引き抜かれてしまうと、戦力構想を練り直さなければならず一大事!(両選手ともディフェンス力が重要な状況では起用されていませんけれど・・・)
そのため、既存の30チームは、
<1> FW 7人 + DF 3人 + GK 1人
<2> FWとDFの中から 8人 + GK 1人
いずれかの構成で、ベガスが指名できないプロテクト選手を指定し、17日午後5時(北米東部時間)までに提出します。
▼ベガスは全チームから選手を選ぶ
対してベガスは、プロテクトリストに掲載されなかった選手の中から、
<1> 既存の30チームから必ず1人
<2> FW 14人 + DF 9人 + GK 3人以上
<3> 上記のうち来季の契約を有している選手を20人以上
選択して、20日午後5時までにNHLへリストを提出。
ベガスが白羽の矢を立てた選手は、翌21日にラスベガスで開催される「NHLアウォード」(今季の各賞発表と表彰式)の中で発表される予定です。
▼ベガスへ追い風が吹く
既にベガスは、21歳のルーキーFWと、KHLの選手と契約を結びましたが、エクスパンションドラフトによって、NHLでのキャリアが豊富な選手を加えることは、新生チームの戦力アップにつながりそう。
さらに加えて、ベガスの追い風になりそうなニュースが聞こえてきました。
その発信源となったのは、今季の優勝チームのGKマーク アンドレ・フルーリー(32歳)!
▼10歳年下のGKに守護神を奪われる
カナダのジュニア代表でメインGKを務めた力を評価されたフルーリーは、2003年のドラフトで史上二人目となるGKの全体1位指名を受け、ピッツバーグと契約。
高い評価に応えてフルーリーは、ピッツバーグの守護神として19季ぶりのスタンレーカップ獲得(2009年)に貢献するなど、ゴールを守り続けてきました。
しかし、昨季途中に就任した マイク・サリバン ヘッドコーチは、AHL(NHLの一つ下のリーグに相当)のアフィリエイトチームでゴールを守っていた 10歳年下のマット・マリーを守護神に抜擢。
そのためフルーリーの出番は激減し、昨季のプレーオフでは1試合だけ。
今季のプレーオフも、マリーの負傷が癒えてからは先発のチャンスを与えてもらえず、スタンレーカップ ファイナルに至っては、一切出場機会がありませんでした。
▼優勝チームのGKから新生ベガスの守護神へ!
ピッツバーグは今季の開幕直後に、マリーと「来季から3季(2019-20シーズンまで)にわたる契約延長」をしましたが、その一方で、200万USドル(およそ2億2000万円)年俸が高いフルーリーに対しては、具体的な契約延長のアプローチをしていない模様です。
現地メディアによると、このような現状を踏まえてフルーリーは、契約の際にピッツバーグと結んでいた「ノームーブメント条項」を自ら破棄 !
これによってピッツバーグは、フルーリーをプロテクトリストに載せずに済むようになったため、本人は明言こそしていないものの、リベンジを目ろんで、エクパンションドラフトでの指名対象に名乗りを上げたのです。
もちろん、ベガスから指名される確約はありませんが、新生チームとあってGKの出来がチームの命運を大きく左右するはず。
それだけに、ベガスのジョージ・マクフィーGMは、前職のワシントンのGM時代に指名したフィリップ・グルバウワーに加え、「優勝GK」という財産を持つフルーリーに、熱い視線を送っているのは間違いないでしょう。