【専門家解説】親が寝室を出ると子どもが泣いてしまう!というときの対応法
子どもが寝たあとはやっと大人が一息つける時間…のはずが、一緒に寝室にいないと子どもが泣いてしまうため、仕方なくそのままお休みに…
そして自分時間は0。
ということはありませんか?
「一人で寝てくれれば苦労しないのに」「せめて寝た後は寝室から出させてほしい」という気持ちを持っている方へ、この記事では親が寝室を出るとお子さんが泣いてしまううときの対処法を、乳幼児睡眠コンサルタントねんねママの最新著書『ねんねのお悩み、消えちゃう本』からご紹介します。
一人で寝てくれるようになるには?
一人で寝てくれるようになるために必要なのは特別な魔法ではありません。逆に言えば、ある日突然一人で寝てくれるようになる魔法はありません。一人で寝てほしいからと、ある日急に寝室から親が出るようになったら、その変化に子どもはびっくりして泣いてしまうでしょう。
大切なのは「これでも寝られる」「ママは隣の部屋にいる、大丈夫だ」という地道な安心と経験の積み重ねです。子ども自身が持っている寝る力をちょっとずつ引き出してあげることによって、自分で寝られるようになるのです。
では、どのようにしてその力を引き出せば良いのでしょうか。
必要なのは「親が見守る」ことです。
この「見守り」は「放置」とは異なります。泣いているのに放置するのではなく、安全で落ち着ける整った環境の中で、危険や緊急性があればいつでも駆けつけられるようにして見守る、ということです。
はじめは一歩ずつ、いまの寝かしつけよりも自分の存在感を薄くするように意識してみてください。
例えば、授乳で寝かしつけている方は、抱っこでの寝かしつけに変えてみる。抱っこで寝かしつけている方は、抱っこから下ろして、また抱き上げて…を繰り返す方法に変えてみる(私はこれを10分ネントレと呼んでいます)など、ほんの少しだけでも良いので今の寝かしつけよりもサポート度合いを下げてみてください。
この積み重ねで、一歩ずつ寝かしつけのサポート度合いを下げて、寝る瞬間への親の存在感を薄めていくことで、寝付いたあとに親を探してしまうことを防ぐことができるようになっていきます。
親が出ていくことを予告する
もう1つ、出ていくことを予告するのも良い対処法です。
たいていの方は、お子さんが寝静まった後、忍者のようにそーっとそーっとバレないようにリビングへと脱出しているのではないでしょうか?
でももしその後にお子さんがふと目を覚ましたら「え!いるはずのママがいない!」と焦ってしまいますよね。
そうなると翌日からは「ママがまたいなくなっているかもしれない」「ドアの音がしたらママが出ていこうとしているはずだから、起きて止めなくては!」という思考になってしまいがち。その不安な気持ちから、ドアの開閉音に過敏になってしまうこともあります。
そういうときは「ねんねするまで一緒にいてあげるからね。ねんねしたら用事があるからママはお隣の部屋に行くけれど、お皿洗ったりしているだけだから、お隣にいるからね〜」と伝えてみてください。
もちろん「はい、わかりました!」とは子どもは言わないと思いますが、予告せずに急にいなくなっているよりも「あ〜隣の部屋にいると言ってたな」と思えた方が、その状況に慣れていきやすいものです。
一人で寝られていた子が急に寝られなくなってしまったら?
今までは「おやすみ~」と声をかけただけで1人で眠れていたお子さんが、寝室から親が出ていく気配を察すると急にギャン泣きしてしまう…そんな場面も、実はよくあります。
私が運営する寝かしつけ強化クラスでも、この「セルフねんねできていたのに、親が寝室を出ると子どもが泣くようになってしまった」というお悩みはよくいただくテーマのひとつです。もちろんケースによりますが、2歳前後の方からのご相談が多いので「2歳の壁」と呼んだりもしています。
これは自我の発達の影響など、成長に伴って起こることが多いものです。
対応としては、「ねんね下手になってしまった」と焦らず、これも成長の一環だと理解してイチャイチャタイムを長めにとってあげましょう。
イチャイチャタイムとは寝る前のスキンシップの時間のことです。
目標の寝る時間よりも早めに寝室に入り、お子さんが満足するまで(とはいえ限度もありますが)いつもより長めにスキンシップをしたり、お話をしたり、絵本を読んだりする時間を設けてみましょう。
お子さんもたっぷりイチャイチャタイムを取れたことで納得できると、親が寝室を出ることを受け入れられることもでてきます。
寝室を出るとギャン泣きして、なだめて寝かしつけて…を繰り返すと心身ともに疲弊してしまいますが、割り切ってイチャイチャタイムを長く取ることを決めるとその時間を楽しめるような気がしませんか?
ちょっとしたことですが、ぜひ1日の終わりに親子でスキンシップをたっぷりとってハッピーな時間を過ごしてみてくださいね!