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右打者がライト後方の海に飛び込むホームランは初。その飛距離は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
エリオット・ラモス/捕手はカイル・ヒガシオカ Sep 15, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月15日、エリオット・ラモス(サンフランシスコ・ジャイアンツ)の打球は、オラクル・パークのライトの向こうにある、マッコビー湾に飛び込んだ。「スプラッシュ・ヒット」だ。

 オラクル・パークは、2000年にパシフィック・ベル・パークとしてオープンした。「スプラッシュ・ヒット」は、アウェーの選手が打ったホームランを含め、166本を数える。

 これまでの165本は、いずれも、左打者あるいはスイッチ・ヒッターが左打席から打った。ラモスは、右打者だ。

 スタットキャストは、ラモスの「スプラッシュ・ヒット」の推定飛距離を、394フィート(約120.1m)としている。

 特大のホームランというわけではないが、2015年以降の「スタットキャスト・エラ」において、この球場で右打席から打って右方向へ飛んだホームランのなかで、推定飛距離394フィートは3位に位置する。その上の2本、どちらも推定飛距離398フィート(約121.3m)のホームランは、右中間へ飛んだ。一方、ラモスのホームランは、ライトのポールの近くを通り過ぎていった。

 そもそも、この球場は、打者の左右を問わず、ホームランが出にくい。スタットキャストによると、ここ3シーズン(2022~24年)のホームランのパーク・ファクターは78。30球場のなかで最も低い。この数値は、100が平均だ。ちなみに、シンシナティ・レッズとロサンゼルス・ドジャースがそれぞれ本拠地としている、グレート・アメリカン・ボールパークとドジャー・スタジアムの数値は、120を超えている。

 ラモスは、2017年のドラフト全体19位だ。今シーズンは、メジャーリーグ3年目。過去2シーズンの出場は計34試合しかなく、ホームランは1本だった。今シーズンは、110試合で21本塁打。ホームの61試合で8本塁打(29.50打数/本)と、アウェーの49試合で13本塁打(15.00打数/本)を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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