【仙台市】「鉄くず」になっていた初代政宗像。青葉城伊達政宗像は3代目。数奇な運命を辿った初代政宗像
こんにちは。仙台市地域情報発信ライターずんだです。
仙台市のシンボルとなっている仙台城址(青葉城)の伊達政宗像。全国から観光客が訪れる人気のスポットですね。ですが、現在休館中の仙台市博物館にも、あの伊達政宗像があるというのを聞き、歴史好きのずんだは政宗公へ会いにでかけてみました。
どこにいるのだろう?と探していると、博物館から青葉城本丸跡へ抜ける小道のところに政宗像を発見。
石碑と共に、政宗公が鎮座していました。
スターウォーズのダース・ベイダーのモデルにもなったと言われている、シンボルの三日月の兜も相変わらずかっこいいです。
銅像って、前からは見ますが、後ろからはなかなか見ないですよね?ですが、ずんだは必ず後ろにも回り込みます。時にはいろんな発見があるからです。そして、今回も…
後ろにまわってみると、何やら胴体が激しく切られているようです。
切られ方がかなり激しい。
胴体や腕も激しく切られてしまっています。
政宗像の下には、この像に関しての説明が。
実は、この伊達政宗像は、青葉城にある騎馬像の最初のもの。それが、第2次世界大戦の際に軍に徴用されたんですね。
初代の伊達政宗像は、没後300年を記念して昭和10年に完成したそうです。完成したこの銅像がトラクターで運ばれてきた時には、大名行列並みの歓迎だったとか。
ですが、太平洋戦争が激化し日本は金属不足に陥ります。そして昭和19年、金属増産と回収のため、つまり鉄砲の弾をつくるために、なんと政宗公にも出陣要請があったのです。当時は家庭の鍋やこどものおもちゃまで回収されたようですが、「政宗さん」も出陣するんだからみんなのうちでも金物を出しなさい、という狙いもあったそうです。出兵する「政宗さん」はタスキをかけられ、万歳で見送られて行ったそうです。
ところが、出陣したはずの政宗像は、戦後、なんとゴミ集積場で発見されることになります。
郷土史家の方が、塩釜市の東北ドッグ敷地内にある金属集積所からバラバラになった騎馬像を発見。引き取りに行った際にはなぜか上半身のみ大切に保管されていて、ですが、「鉄くず」として購入、青葉神社へ奉納されたと言うことです。そして、仙台博物館開館の昭和36年に博物館に寄贈、現在に至ります。
集積所の方も、さすがに政宗公のお顔をみて、切り刻むことも捨てることもできなかったのでしょうね。
初代政宗像は戦争の悲しい体験をしながらも、また仙台城址に戻ってきました。
戦争の時も平和な時も、いつでも政宗像が仙台の街並みを見下ろして守ってくれています。
この先も仙台のシンボルとして仙台の街を守っていって欲しいですね。
仙台市博物館
所在地:〒980-0862 宮城県仙台市青葉区川内26
アクセス:
<バ ス>仙台駅西口バスプール16番乗場「るーぷる仙台」乗車 約20分、
「博物館・国際センター前」下車、徒歩3分
<地下鉄>地下鉄東西線「国際センター駅」下車、南1出口から徒歩約8分