梅雨の晴れ間に紅白戦 陽川2ランと江越2点タイムリーで引き分け《7/2 阪神ファーム》
きのう2日、阪神ファームは鳴尾浜で紅白戦を行いました。前日に予定されていた社会人・大阪ガスとの練習試合は午前中の大雨で中止となり、そこで登板するはずだった投手陣や、左わき腹痛から復帰の関本選手も出場。その関本選手が紅組の4番でサード、白組の4番・ペレス選手は途中からファーストを守っています。その余波で小豆畑選手がレフトに…。初めてかと尋ねたら「はい。あ、高校であるかも」とのこと。左前打を1つ処理しただけで、他に打球は飛んでいません。ホッ?
なお関本選手は試合後に「まず第一段階をクリア。試合に出られたということがよかった。一日でも早く」と話しています。最後の言葉は1軍に向けてのコメントですね。
伊藤隼が本隊へ、金田はフリー打撃登板
球審は久々に高田打撃投手が務め「難しい~。疲れました。もういいです」とグッタリ。ボールボーイ役は伊藤隼選手と植田選手。左手親指の亜脱臼でリハビリを続けていた伊藤隼選手は、きのう2日から本隊に合流し、紅白戦以外のフルメニューをこなしました。あとは実戦だけ?という問いに「はい、そうです」と答えたそうです。また腰痛で別メニューとなっている植田選手は、元気にバット引きなどを担当したものの「ちょっと疲れました」と苦笑いです。
試合前のフリーバッティングでは、左わき腹の肉離れで5月はじめから戦列を離れていた金田投手が登板。陽川選手、一二三選手、横田選手を相手に42球を投げました。終わったあとの金田投手は「う~ん、まあまあ。ボールもまあまあですかね。ストライクが入らなかったり、終盤にフォームが崩れてきたりしたので、まだ自分のものになっていないかなと思います。わき腹は問題ないので、これから調子を上げていければ」とのこと。仲野トレーナーも「初めてのフリー打撃、10分間投げました。見て頂いた通りです」と身体的には問題なしというコメントでした。
では、紅白戦の結果と経過をご紹介します。
《紅白戦》7月2日 (鳴尾浜)
紅組 000 020 =2
白組 000 200 =2 ※6回まで
◆バッテリー
【紅組】伊藤和-田面-藤原 / 清水-岡崎(4回~)
【白組】岩本-守屋 / 小豆畑-小宮山(4回~)
◆本塁打 白:陽川(田面)
◆二塁打 紅:岡崎
◆打撃(打-安-点/三振-四死球/盗塁/失策)
【先攻・紅組】打者8人
1]右中:緒方 (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0)
2]遊:北條 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
3]中右:江越 (2-1-2 / 0-1 / 0 / 0)
4]三:関本 (3-2-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃特別代走:江越 (6回表)
5]二:西田 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
6]一捕:岡崎 (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0)
7]左:一二三 (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0)
〃特別代走:西田 (5回表)
8]捕一:清水 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
【後攻・白組】
1]中:横田 (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0)
2]二:森越 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
3]右:中谷 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
4]左一:ペレス (3-1-0 / 2-0 / 0 / 0)
5]三:陽川 (3-2-2 / 0-0 / 0 / 0)
6]遊:黒瀬 (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0)
7]一指:原口 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
8]捕左:小豆畑 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0)
9]指捕:小宮山 (0-0-0 / 0-2 / 0 / 0)
◆投手(安打-三振-四死球/失-自) 最速キロ
【紅組】
伊藤和 2回 33球 (0-1-2 / 0-0) 140
田面 2回 40球 (3-1-2 / 2-2) 132
藤原 2回 32球 (2-3-1 / 0-0) 141
【白組】
岩本 3回 48球 (4-1-1 / 0-0) 146
守屋 3回 50球 (2-0-3 / 2-2) 138
試合経過
まず先攻・紅組の攻撃。白組先発の岩本に対して、1回は2死から江越が四球、関本の左前打で一、二塁としますが、西田は左飛で無得点。2回は先頭の岡崎が三塁線を破る二塁打、続く一二三は左前打!しかし岡崎は本塁でタッチアウトとなり、一二三も盗塁失敗で2死ランナーなし。清水は三ゴロ。2安打しながら得点なく、結局3人で終わっちゃいました。3回は1死から北條が中前打を放つも、江越は遊ゴロ併殺打。ここも3人で終了です。
白組2人目は守屋で、4回はフライ3つの三者凡退。降り返ってみると、これが唯一の三者凡退でした。2点を先取された直後の5回は、先頭の一二三がヘルメットに当たる死球(特に問題はなかったようですが大事を取り代走・西田)、清水の投犠打と緒方の四球、さらに北條の二ゴロで2死二、三塁として江越が中前タイムリー!2人が還って同点となったものの、江越は横田から森越へ渡ったボールで二塁タッチアウト。6回は先頭の関本が左前打(代走に江越)、西田が送り岡崎の四球で1死一、二塁。続く一二三は遊飛、清水は中飛で2者残塁でした。
変わって後攻・白組です。紅組の先発は伊藤和で、1回は1死から森越が四球を選ぶも中谷は遊ゴロ併殺打。2回は2死から黒瀬の四球のみ。ついで登板した田面から3回、先頭で左前打を放った小豆畑でしたが盗塁失敗。小宮山と横田の連続四球のあと森越と中谷は凡退して無得点。しかし4回、先頭のペレスが左前打を放ち、続く湯川はレフトへのホームラン!ペレスも陽川も初球を打っています。次の黒瀬も初球打ちで三直、原口は粘って9球目で三ゴロ、小豆畑は空振り三振。
5回からは、ノーワインドアップに戻った藤原が登板。先頭の小宮山はストレートの四球を選びますが、あとは横田が空振り三振、森越は二ゴロ、中谷も二ゴロ(藤原がグラブを出しながら避けた背中を通り、センターへ抜けるかという打球に追いついたセカンド西田が一塁でナイススロー!)と後続を断たれます。6回はペレスが空振り三振、陽川と黒瀬が連打したものの原口も空振り三振、小豆畑は一ゴロで試合終了です。
田面は福井帰りで初登板
ルートインBCリーグの福井ミラクルエレファンツに派遣されていて、29日に帰ってきたばかりの田面投手。先月初めのメディカルチェックで戻った際にウエスタン・オリックス戦で登板したので、そんなに久しぶりの鳴尾浜というわけではありませんが、2イニング投げるのは2月の安芸キャンプ以来でした。まず最初に「相変わらず…ですね」とひとこと。「もうちょっと、ボールになってもいいから強い球を投げる意識を持っていかないと、と思いました」
ヒジが少し下がった?「スライダーやカットボールを投げる時に少し下がっていたかも。悪い感じではないですね」。福井に行って得たものは「実戦で、いろんなところで投げさせてもらったのが一番です。試合に入っていく中で経験できたのは、ためになりました。こっちだと人数も多いのでなかなか、そうはいかないから」と言います。3か月弱で19試合に登板ということは、ほぼ毎試合ゲームに入っている感じ?「そうですね、全部で40試合なので。それに、毎日が勝負という独立リーグで、その緊張感も味わった」と振り返ります。
味わうといえば、チーム初の前期優勝決定の時も一緒にいたんですよね。「はい。貴重な景観をさせてもらいました。吉竹監督の胴上げも。それから端っこで僕も胴上げされて(笑)」。優勝が決まった6月28日は田面投手の派遣最終日だったから、先日もご紹介した藤野投手の発声で始まったみたいですよ。その翌日、福井へやってきたトラヴィス投手に会って部屋のカギを渡してから帰ってきています。
そして、この日の登板。やってきたところを見せなくちゃ、という気負いは特になかったようです。戻ってきて、いつでも練習したりトレーニングしたりできる環境を改めて実感したとか。「あっちでは球場を使う時間も決められているので制約はありましたが、ここではいつでも練習できますね」。そう話す口調は、まだ肌寒かった3月末に旅立っていった田面投手よりは力強くなっている気がしました。
死球を悔やむ守屋、手応えの伊藤和
4回から3イニングを投げ、2安打ながら3四死球で2失点だった守屋投手。「一二三さんのデッドボールが一番痛い。フォークが抜けました。切り替えようと思ったけど、完全に切り替えられなくて…」。確かに、紅白戦はやりにくいですしょう。もともとは1日の大阪ガス戦で投げる予定でしたしね。「自分のチームというのが、やっぱり。他のチームなら、もう少し違ったかも」
マウンドにいるのを見たら、少し細くなったように見えたのですが「いえいえ順調にゴツくなっていますよ~!」と言います。トレーニングの成果で1キロ増えた体重の、その1キロは筋肉だとか!それはすごいですね。体脂肪率は16パーセントで、つまり細くなったのではなく“引き締まった”守屋投手でした。
伊藤和投手は、よくなってきたねとの声に「よくなってきましたね!」と笑顔で返します。「長かったですけど。それにスピードはあまり出ていませんが」。でも軽く投げてピュッといっている感じがしましたよ。「そう見えるならよかったです。方向性は間違っていないので、腕を振ってスピードも上がってくるかと思います。感覚としては継続していきたい。バッターに投げていくっていう感覚も戻ってきたので。早く公式戦で投げたいですね、数字を早く…」。防御率を早く、もっと小さくしたいということです。
陽川の2ラン、ペレスは初一塁、一二三が外スラ打ち
陽川選手の2ランは127キロのスライダーで、打った瞬間に行ったと思ったかの問いに「はい」と即答でした。「初球からいこうと思ったけど、とりあえず甘いコースに来たら仕留めようというのは頭に入れていた」そうで、その初球を打っています。ホームランが出ることがバロメーターってわけではない?「というよりはセンターから右中間方向よりのヒットが出れば、いい感じかなと思いますね」。なるほど、次の打席はセンター前ヒットでした。
「ホームランのあと、去年は簡単に凡退していて、ことしはどんな形であれ打てるようにと考えています。次の打席もよかった。ホームランのあとは開き気味になるので、それがセンターから右打てているのはいい形ですね」
ペレス選手は初の紅白戦を終えて「よかったです。いい時間を過ごせた。楽しめた」という感想。4回からファーストの守備につきましたが「来日前、ドミニカでの試合で守ったことがある」と言います。6月28日のオリックス戦(神戸サブ)の試合前に、原口選手のファーストミットを借りてキャッチボールをしていましたが、この日は自分のミット。「少しずつ勉強して、もっと心地よくできるようにやっていきたい」と前向きです。
守屋投手から死球を受けた一二三選手。ヘルメットの耳の部分に当たったかなと思いましたが、本人いわく「頭ですよ、頭。でも大丈夫です」と。普通に練習もしていましたからね。2回に岩本投手から放った左前打は、苦手としていた外のスライダー。うまく打ちましたねえ。読んでいた?「いや読んではいなかったですね」。八木打撃コーチによれば「おととしケガをする前の好調時には外スラも打てていたからね」とのこと。そうでした。我々も忘れていました。一緒に思い出しましょう!