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南海上の熱帯低気圧はまもなく台風へ!関東~北日本は3連休の影響に注意…広く雷雨も続く:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
気象庁の熱帯低気圧情報。小笠原近海の熱帯低気圧aは7日夜までに台風になる見通し。

気象庁は6日夜、小笠原近海にある熱帯低気圧が24時間以内に台風に発達する見通しであることを発表しました。
このまま発生すれば台風5号になります。

今後、山の日を含む3連休にかけて北上する予想で、関東・東北・北海道の太平洋側に雨や風、波の影響が出るおそれがあるほか、全国的に雷雨が発生しやすい状態はお盆休みにかけて続きそうです。

「24時間以内に台風になる熱帯低気圧」の予報円

気象庁では以前、熱帯低気圧が台風になってから初めて5日先までの予報円を発表していましたが、2020年からは24時間以内に台風になる可能性がある場合にあらかじめ5日先までの予報円を出すようにしています。

今回、南の海上の小笠原近海にある「熱帯低気圧a」が、7日夜までに台風に発達する見通しとなり、11日(日)までの予報円が発表されました(本記事では、その後更新された12日(月・祝)までの予報円を冒頭に掲載しています)。

さほど発達はしない予想で、12日の時点ではもう温帯低気圧に変わる見込みではあるものの、予報円の西側を通った場合は東北北部~北海道の太平洋側にかなり接近するおそれもあり、今後の情報に注意が必要です。

全国的に雷雨が発生しやすい状況は続く

7日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
7日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

5日は東海、6日は東北で猛烈な雨が観測されましたが、7日も暖かく湿った空気と上空の寒冷渦の影響を受け、大気の不安定な状態は続き広範囲で雷雨への警戒が必要です。
特に東北~関東北部・甲信・東海付近で発雷確率が高く、場所によっては朝から雷雨になるところも。

また沖縄では引き続き、先島諸島を中心に熱帯低気圧の暖湿気による激しい雨が降りそうです。

一方、晴れる時間が長い西日本では酷暑が続き、熊本・佐賀・山口で最高気温は38度の予想です(気象庁予報、7日0時時点)。

西日本中心に猛暑続く…来週は別の熱帯低気圧も?

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

目先1週間は特に東海~九州にかけて厳しい暑さが続く見通しで、名古屋の最高木尾には7日から11日(日)まで5日間連続で37度の予想です。
熱帯低気圧から変わる予想の台風周辺からは、北上中ずっと暖湿気が流れ込むため、突然の雨や雷が起きやすい状況も続きます。

なお、来週はお盆休みを取るという人が多いと思いますが、来週に入ると現在発生しているのとは別に新たな熱帯低気圧が発生するおそれも。
現時点で晴れマークが多くなっている地域でも、予報が変わる可能性を考慮してスケジュールを考える必要がありそうです。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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