【富士宮市】まるで生きているみたい!1本ずつ手詰めされた蔵元限定の活性清酒『富士のお山のわた帽子』
白糸の滝の南に位置する自然豊かな上野の里で、280年以上にわたり、蔵人たちが伝統の技を集結させ、富士山の清冽な湧水で日本酒を醸し続けている『牧野酒造合資会社』さん。
蔵全景は『富士宮市景観賞最優秀賞』、江戸末期から明治初期の酒蔵の煙突、溶岩石を土台とした黒壁、土蔵は『景観重要建造物指定』されています。
『世界文化遺産都市富士宮ツアー』の一環で、老舗蔵元『牧野酒造』の酒蔵を見学させて頂きました。
酒蔵でよく見かけるのが『杉玉』。毎年2月から3月に新しいものに作り替えられます。
替えられたばかりの杉玉はきれいな緑色をしており、新酒ができたという目印。次第に枯れていき、薄い緑色となる初夏から夏は「夏酒」、枯れた茶色となる秋は「ひやおろし」や「秋あがり」といったように、お酒の熟成具合を知らせています。
現在は使われていませんが、調湿性が高く、涼しい土蔵造りの建物が右手に、目の前の蔵も特殊な瓦葺きで建物内の温度が外気温より2、3度低くなるように考えられて作られた蔵があります。
現在の酒蔵は敷地北側にあります。
酒蔵に入るとまずは階段で上階へと上がります。
重たいお米を何でわざわざ上にあげて作業するのかお伺いしたところ、重たいものは下に下がっていくのが原則だから、最初に上へあげて作業工程でだんだん下げていくことで、お米にストレスにならないようにしているからだとか。
仕込みに使うのは、100%富士山の伏流水。
麹造りは酒造りのなかで最も大切な作業の一つ。麹室では室温30度以上の高温の中、48時間かけて麹菌の繁殖を行います。
また、蔵によって使う酵母が違い、牧野酒造はお料理と相性が良い酵母を使っているのだそう。
箱入り娘のように目に見えないところまで気を遣い、経験と努力があってこその味わいなのだと改めて感じた後の試飲は格別!
試飲ではおすすめ日本酒を3種類飲み比べさせて頂きました。
そのうちの『富士山』は、なんと新千円札の裏面葛飾北斎の富嶽三十六景『神奈川沖浪裏』同じ富士山ラベルです。
フルーティで香り豊か、話題性があるので贈答にも喜ばれそうです。
そして特別に白糸の原酒で仕込んだ非売品の梅酒も試飲させて頂きました。
これが濃厚で忘れられない味でした。毎年焼酎で梅酒を作っていましたが、今年は牧野酒造の白糸の原酒で梅酒作りをするぞ!と心に決めました。
そして、もう一つ特別にふるまって頂いたのが『富士のお山のわた帽子』です。
開封すると、まるで息を吹き込まれたように、自然な炭酸がぷくぷくと息吹はじめ、沈んでいたもろみが動き始めます。
1本ずつ手詰めされた期間限定・蔵元限定のお酒『富士のお山のわた帽子』。
口に含むとパチパチとした刺激と爽やかな酸味と甘みがなんとも心地良いお酒です。
まだ味わったことのない方は、ぜひとも飲んで頂きたい!
実はこの日、『牧野酒造』はお休みの日で、ツアーに合わせて法被をまとい、私たちを迎えて下さったことを聞き、当主牧野利一社長をはじめ奥様、蔵人補助の矢野様の優しさがおいしいお酒とともに身に沁みました。
牧野酒造合資会社
住所:富士宮市下条1037
TEL:0544-58-1188