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故障から復帰した坂手淳史キャプテン、帝京大学7連覇に向け熱い言葉重ねる【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
この眼光、この体躯。国内屈指のタックラーが決意を語る。

日本選手権での国内最高峰トップリーグ勢撃破を狙う帝京大学は1月10日、東京は秩父宮ラグビー場で大学選手権の決勝戦に挑む。6季ぶりにファイナリストとなった東海大学とぶつかり、7連覇を目指す。

大一番。怪我から復帰する見込みなのが坂手淳史キャプテンだ。京都成章高校時代も同職を担ったリーダー肌である。過去に日本代表の練習参加経験があるフッカーで、強烈なタックルを持ち味とする。

今季は昨年12月27日、選手権セカンドステージの中央大学戦(秩父宮で105―0と勝利)で左腕を負傷。今年1月2日の準決勝(大東文化大学に68―33)は欠場していた。岩出雅之監督は、決勝戦での坂手キャプテンの起用について「出す方向でいる。(出場時間などは)色んなパターンを考えています」と話している。

以下、坂手の共同取材時の一問一答の一部。

――決勝戦に向けて。

「準決勝に出られないのも、その期間にチームに携われないのも、申し訳ない気持ちでいっぱいなので。その思いを晴らす意味でも決勝はチームワンで、全員を鼓舞して、笑顔で終わりたいなと思います」

――東海大学について。

「バックスでも点の取れるチームだとは思うんですけど、明治大学戦(2日、秩父宮での準決勝。28―19で勝利)は特に、フォワードの強さを多く出そうとしている印象でした。帝京大学もフォワードを強みとしているので、そこで勝負したいと思ってます」

――自身の怪我について。病院には。

「ほとんど…。あとは治療とアイシングでしっかりと治しています」

――ラインアウトのスローイングも役割ですが、ボールを投げる練習をしたのは。

「きょうからです。ラグビーボールを触るのも(復帰後)初めてで、どれぐらい放れるのかの感触を確かめました。悪くはないです」

――コンディションは。

「ずっとやってきたことを出すだけなので、プレーやコンビネーションで心配することはありません。この1週間だけ特別なことをしているわけではないので。夏、秋とずっとやってきたことをいま確認している段階なので」

――どんなゲームをしたいか。

「爆発したいです。帝京として爆発したい。やってきたことを出す。やってきていないことはゲームでは出ないので」

――きょう(取材した5日)はミーティングが長かった。

「…そうですかね。ミーティングはしっかりとしているチームだとは思うので。10分、20分で終わるミーティングはほとんどとどなくて。頭で理解をしないとプレーには現れないので。準決勝の反省にプラスして、東海大学戦に向けて…という内容でした」

――(当方質問)準決勝では33失点。「反省」はそのあたりですか。

「前回のディフェンスは、コミュニケーションとコネクション、ファーストタックルの問題だけ。いままでやってきたことを確認して、それを、グラウンドでやろう…ということになります」

――(当方質問)先ほど仰られた通り、相手はフォワードを強みにしている。

「僕たちもフォワードを強みとしていますし、セットプレー(フォワードの仕事。スクラムなどのプレーの起点)はゲームを決めるうえで大事なものだと思います。セットプレーを安定させる、セットプレーでプレッシャーをかける。それができていけば、他のプレーもよくなる。それは東海大学さんにとっても同じです。そこに賭けてくる気持ちとしては、お互いに同じだと思います」

――(当方質問)スクラム。右プロップの平野翔平選手が強力。

「(笑いながら)そうですね。色々なことを考えながらやっていきたいと思います」

――(当方質問)東海大学とは春、夏も対戦。スクラムの感触は。

「押された。その時にやられたことは覚えていますし、やり返したいなと。最後は真っ向勝負です。パワーと自分たちの塊としての動き…。小手先だけで何とかしようとは思わないです」

――(当方質問)万全かどうかわからないなか、最後の選手権決勝。

「自分を万全にするのは気持ち次第。気持ちとイメージを持って強みを出していきたいですし、チームを1つにして爆発したいと思います」

――(当方質問)不安は。

「不安ですか? 不安はないですね。怪我をしたのは自分。治してくれる段階でサポートしてくれたスタッフや、自分がいない間のチームをまとめてくれた4年生、支えてくれている皆にすごく感謝しているので、最後は、自分が先頭に立って引っ張る番…という風に思っています」

――怪我をした時は。

「どれぐらいで治るかを計算しました。あとは、できるだけのことはやる、と。監督からも『お前が下を向いていたらいけない』と言われたので、僕が前を向いて、僕がチームを引っ張てゆく、そして皆の力を借りながら、チームをひとつにする。そこが帝京の強さだと思うので」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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