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甘い冬キャベツの【芯】まで食べ尽くす4つのテクニック|かき揚げ、「野菜だし」ほか美味しいレシピを試す

racss食育インストラクター・調理師/菜園家

3月頃まで出回る冬キャベツ。冬キャベツは芯まで甘くて美味しい!でも芯は固いから食べにくい部分でもありますよね。捨てるのはもったいないけれど、どうやって食べる?
調理師・食育インストラクターの筆者が、キャベツの芯を無駄なくおいしく食べる4つのテクニックを、実際に調理した様子を含めてご紹介します。

キャベツの芯は美味しい

キャベツの芯には栄養が詰まっているだけでなく、甘さが集結する箇所でもあります。特に寒い時期の冬キャベツの芯の甘さは格別です。食材を使い切るためにも、芯部分の活用を考えてみましょう。

【冬キャベツの芯を食べきる4つのテクニック】

  1. 芯ごと蒸し焼きにする
  2. スライサーで薄く切る
  3. 野菜出汁の材料に使う
  4. みじん切りにして混ぜ込む

1 芯ごとくし切りにしてキャベツステーキに 

フライパンで芯ごと焼くキャベツステーキ(まんぷくさん/写真AC)
フライパンで芯ごと焼くキャベツステーキ(まんぷくさん/写真AC)

最も簡単なのがこれ。芯ごと食べられるキャベツステーキです。
芯をつけたままくし型に切ったキャベツをフライパンに入れ、オイルを回しかけてから蓋をして中火で蒸し焼きにします。ほんのり焦げ目がついてやわらかくなったらできあがり。仕上げにあらびき塩コショウを振りました。
シンプルな、旬を味わうレシピです。

ナイフでカットしながら食べる
ナイフでカットしながら食べる

固すぎる箇所は除去してから調理

筋っぽい部分は切り取ろう
筋っぽい部分は切り取ろう

下ごしらえの際のカットにちょっとしたコツがあります。いくらもったいないからといっても、固すぎておいしく食べられなくては嫌ですよね。キャベツの芯をよく見ると、水分を失って固く筋っぽくなっている部分があります。ここは切り落とすとよいでしょう。

2 スライスしてかき揚げに

キャベツの芯のかき揚げ
キャベツの芯のかき揚げ

キャベツの芯を使ったかき揚げはサクサクでいくらでも食べられる軽さ。薄くスライスして使います。

スライサーで芯がついた大きい固まりのままスライスします。芯の部分はかき揚げに、葉の方は千切りサラダに、と使い分けができます。

 野菜のかき揚げは複数の材料を混ぜると味わい豊かに。冬キャベツと同時期に出回るニラや、生姜の千切り(紅生姜でも)を混ぜるのも美味しいですよ。

3 野菜くずでつくる出汁(ベジブロス)に

キャベツの芯、玉ねぎのヘタや内側の皮、カボチャの皮でとった野菜出汁
キャベツの芯、玉ねぎのヘタや内側の皮、カボチャの皮でとった野菜出汁

野菜くずでつくる「野菜出汁(ベジブロス)」を試したことはあるでしょうか。野菜の捨てる部分が活用でき、酵素や栄養分を無駄なく摂る方法として知られています。
今回撮影のために冬キャベツの芯、玉ねぎのヘタや内側の皮、カボチャの皮の3種の野菜くずで野菜出汁をとってみました。
水の段階から野菜くずを入れ、静かにコトコトと煮ます。10分程度煮てから濾しました。きれいな金色の出汁です。味は甘みが強く、嫌な香りはしません。シチューやカレーに加えると複雑な野菜の旨みを足すことができます。

キャベツの芯は臭みが出る?!

キャベツの芯をベジブロスに使うと臭みが出るのでおすすめできない、と言われることがあります。臭いの原因は、キャベツに含まれるイソチオシアネートが変化して硫黄化合物のジメチルスルフィドを発生させることです。
キャベツが生育中に虫にかじられたとき、この臭いを出すことにより抵抗していると言われており、キャベツに限らずアブラナ科の野菜全般に含まれる成分です。調理で切ったり煮込んだりする際にも、この臭みが出ることがあります。
ところが、不思議なことに冬キャベツの場合はほとんど気になりません。これには冬季は保管温度が低く保てることが関係するのではないかとも言われていますが、はっきりしたことはわかりません。
筆者は季節関係なくキャベツの芯をベジブロスに使いますが、これまで臭いを気にしたことはありません。臭い問題はともかく、甘み、旨みがたっぷりのキャベツの芯を利用できるというところにメリットを感じています。
でも初めて使う方で心配な場合は、キャベツの芯の分量を控えめにし、色々な種類の野菜くずを合わせて作ってみてくださいね。

4 キャベツの芯はみじん切りで用途は無限

みじん切りにする
みじん切りにする

キャベツの芯や太くて大きい葉脈の部分を集めてみじん切りにすると、固さは気にならなくなります。スープ、餃子ほか様々な用途があります。特に我が家で好評だったのは以下の2つのレシピ。

お好み焼きに

キャベツの芯入りお好み焼き
キャベツの芯入りお好み焼き

じっくり焼いてキャベツの旨みを引き出すお好み焼き。キャベツの芯のみじん切りを混ぜ込みましょう。
今回は、前述のキャベツの芯でとった野菜出汁で粉を溶いて作ったところ、「なにこれ、あまーい!!」と思わず口に出すほど。ソースは甘さ多めのお好み焼ソースではなくトンカツソースで味のバランスをとってみました。

キャベツバンバーグに

みじん切りを混ぜたハンバーグ
みじん切りを混ぜたハンバーグ

キャベツの芯のみじん切りを、ひき肉に混ぜてハンバーグにするのもおすすめできます。今回の写真のハンバーグは、ひき肉に対し、キャベツの芯のみじん切りを2倍量加えています。卵や粉類のつなぎは不要です。
コツはひき肉とキャベツを混ぜてからしっかりと練ること。粘りが出るまで練ると、キャベツが大量に入っているのに肉々しい食感のハンバーグになりますよ。

冬キャベツの芯・活用テクニックまとめ

冬キャベツの甘い芯の部分をおいしく食べる4つのテクニックをご紹介しました。

  1. 芯ごと蒸し焼き
  2. スライサーで薄く切る
  3. 野菜出汁の材料に使う
  4. みじん切りにして混ぜ込む

実践してみたいものはあったでしょうか?参考になりましたら幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

***【大人の食育】***

「冬キャベツの芯」についてのこの記事、いかがだったでしょうか。食材の流通について知ったり、食材を育ててみる、食材を無駄なく使い切る工夫、栄養や美味しい組み合わせを知るといった取り組みは全て「食育」に含まれます。
調理師・食育インストラクターであるracssのコラムでは、健康的な食生活につながる「大人の食育」を意識したテーマで書いています。「へぇ~なるほど、やってみようかな」「子どもたちにも伝えてみようかな」と思っていただけたら幸いです。よかったらracssをフォローして他の記事もお読みくださいね!

食育インストラクター・調理師/菜園家

学生時代~ハンドメイド作家時代に癒やされる観葉植物の室内栽培にはまったのち、屋外の家庭菜園に魅了され早15年。宿根草とハーブや野菜、野草、山菜系野菜や小果樹を庭で栽培しています。自然を楽しみながら育て、味わい尽くす方法を、調理師・食育インストラクター(2級)の目線から発信していきます。 北海道での家庭菜園の様子はInstagramと公式サイト「racssblog」にて公開中。

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