パフォーマンスとバラエティ性による強力なエンターテインメント――超特急の男性限定イベントレポート
パフォーマンスのレベルの高さと豊かなバラエティ性が、強力なエンターテインメントを生みだす。6人組グループである超特急が、2019年2月3日の男性限定イベント「BULLET TRAIN BOYS GIG Vol.5」で見せたものは、そうしたものであった。
毎年恒例になっている男性イベントは、今年で5回目。超特急にとっては2019年の初ライヴでもあった。
すでにチケットがソールドアウトしていた「BULLET TRAIN BOYS GIG Vol.5」のために会場の恵比寿LIQUIDROOMに着いて驚いたのは、ファン層の若さだ。10代の男の子が多い。しかも、しっかりと超特急のTシャツを着ている。
開演前には、メンバーによる注意事項のアナウンスに、会場の「男8号車」(超特急はファンのことを『8号車』と呼ぶ)が「押忍!」と応える光景も。そして、ライヴ本編での「ikki!!!!!i!!」では超特急が恵方巻を食べるなど、節分ならではの演出もあった。
超特急のステージにはいくつかのポイントがある。ひとつは、「Drive on week」「We Can Do It!」のようなダンス・ミュージックと、そこで展開されるダンスのシャープさだ。この日は披露されなかった「need you」のMV「need you(Dance ver.)」を見れば顕著だが、ダンス・グループとして超特急のパフォーマンスは圧倒的だ。かと思うと、ユーモラスな振り付けが随所で登場するのも超特急らしい。
また、インドネシアのファンコットというリズムを取り入れた「バッタマン」や、タイ語で「声をあげろ」という意味である「コーシエンノイ」のような、東南アジアにアプローチした楽曲もある。特に「コーシエンノイ」では、R&Bベースのダンス・ミュージックとともに、超特急が見事なダンスを披露する。超特急の真骨頂ではないかとライヴで感じたほどだ。
一方で、超特急のバラエティ能力を見せつけたのが、中盤の企画コーナーだった。ここでは超特急と6人の8号車との対決が行われた。立候補は挙手制なのだが、会場の8号車が一斉に手をあげる。そして、超特急は8号車に向かって「皆さんの味方なので応援してあげてください!」と何度も呼びかけた。ライヴ全体を見ても、超特急が8号車に「ありがとう!」「8号車!」と呼びかけるなど、たえずコミュニケーションをとる姿は特徴的だ。
超特急と8号車によるTシャツ重ね着対決、ダンボール組み立て&積み上げ対決、肩車スクワット対決が行われたが、結果は8号車の圧勝。そして、MVPに選ばれた8号車が「超越マイウェイ」で自転車をこぎ、その勢いに比例して照明の明るさが変わる……という趣向も。踊る超特急と自転車をこぐ8号車のコントラストは、なかなかシュールな光景だった。
「SAIKOU KOUSHIN」では、ユースケとユーキ、続いてタクヤがフロアへとダイヴしてクラウドサーフされていった。フロアを一周回ってステージに戻ったのだが、タクヤが沈みそうになる場面も。ユースケは2回もダイヴして、メンバーから「何回やるんだよ! 終わるよ!」とつっこまれていた。
アンコールの「Burn!」では、超特急がペンライトでフロアへとケチャするなかで、8号車が大合唱するという、ふだんとは逆の光景も。
カイの「8号車、最高だー!」という言葉とともにライヴは終了。タカシは「男8号車と女性8号車を半分半分にできたらいいな」 と語っていたが、終演後に男性の8号車同士が一緒に写真を撮っている姿を見ると、それも決して夢ではないのではないかとも感じた。
なにより、「BULLET TRAIN BOYS GIG Vol.5」は、2018年12月7日にさいたまスーパーアリーナでワンマンライヴを開催した規模を誇る超特急を、恵比寿LIQUIDROOMで見られるというプレミアムなライヴでもあったのだ。
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