現在飲酒をしている人は53.4%、ヘビードランカーは6.8%…アメリカ合衆国の飲酒状況
アメリカ合衆国の18歳以上の飲酒率は53.4%
身体にはマイナスの影響を与えることが多いため、昨今の健康志向を受けて飲む人が減っているとされる「お酒」。アメリカ合衆国におけるお酒の飲まれ具合の実情を、同国の医療保険関連の公的機関CDC(Centers for Disease Control and Prevention:疾病予防管理センター)の部局BRFSS(Behavioral Risk Factor Surveillance System)の公開値から確認する。なお今件における調査対象は18歳以上、そして現時点での最新データは2022年分。
まずは調査時点で過去30日間にアルコールを口にしたか否か、つまり単純な「現在飲酒率」。全体では2022年時点で53.4%との値が出ている。見方を変えれば、直近30日間にお酒を口にしていない大人は46.6%。
男女別では男性の方が10%ポイントほど飲酒率が高い。そして年齢別では25~34歳が飲酒のピークとなる(アメリカ合衆国で飲酒が法的に許されるのは21歳以上のため、20歳までは飲酒は禁じられている。そのため法的に飲酒が禁じられ飲むことができない18~20歳が含まれる「18~24歳」層が少なめの値が出るのはある意味当然)。
また属性別では高世帯年収・高学歴ほど飲酒率が高くなる。きれいな右肩上がりをしていることも併せ、意外に思う人も多いかもしれない。付き合いの上で飲酒が必要になる場合も容易に想定できるし、ハードワークの疲れを飲酒で誤魔化しているのかもしれない。また、単純に飲酒にはコストがそれなりに必要なため、金銭的余裕のある無しが反映されているとの見方もできる(学歴は世帯年収と相応の相関関係があり、多分な因果関係も考えられる)。
ヘビードランカーは1ケタ%
それでは飲酒の程度はどれほどなのか。そこで「ヘビードランカーか否か」を聞いた結果をまとめたのが次のグラフ。これは男性ならば1週間で14杯、女性ならば7杯以上お酒を飲むか否かを答えてもらい、「飲まない人も合わせた全体に対する比」を算出したもの。アメリカ合衆国の大人の6.8%は「ヘビードランカー」となる。
年齢階層別では35~44歳層が一番のヘビードランカー率で8.8%。18~24歳は7.6%だが、この年齢階層は上記の通り年齢制限上の問題があるにもかかわらず、高い値を示している。実際には「飲酒できる人」の多分が結構な量を飲んでいることになる。そして年齢が上になるに連れて値は下がっていく。
世帯年収別、学歴別でも、単なる飲酒率同様に、おおよそ高世帯年収・高学歴ほど値は高くなる。結果として「飲酒者に限定したヘビードランカー率」を計算すると、低世帯年収・低学歴者の方が高くなる。例えば世帯年収20万ドル以上の人の「飲酒者におけるヘビードランカー率」は12.5%だが、1.5万ドル未満の場合は19.5%となる。また男女別では女性の方が高い値を示している。
年齢はともかく、世帯年収で飲む人の飲み方が違ってくる傾向は興味深い話には違いない。
■関連記事:
【サラリーマンのお酒は外飲み30.5%、家飲み39.5%・外飲みは月2.4回…会社員の「仕事の後の一杯」事情(最新)】
(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項のない限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。