「通訳なしでどうやって試合を?」「日本は厳しすぎ」 あす日本戦 ベトナム代表パク・ハンソ監督会見全文
29日に行われるカタールW杯アジア最終予選最終節ベトナム戦。試合に先立ち、ベトナム代表のパク・ハンソ監督(韓国)が前日会見を行った。
筆者からも韓国語にて質問を行ったが、日本への印象よりも日本側のコロナ対策への意見が目立った。ベトナムメディアからのチーム現状の質問に対し「言うべきは言う」という答弁となった。あくまでパク監督が主張する内容をお伝えする。
――明日の試合へのどんな準備をしてきたのか。また2019年のアジアカップ、今回のW杯予選(2011年11月11日)とこれまで2度対戦している。日本の変化をどう感じるか(筆者より)。
ベトナム代表チームの今の状況は良くない。今回の来日したメンバーも20名のみの来日だ(前日練習を目視で確認したところ、確かに練習参加した選手は20人だった)。負傷者がいる。コロナ感染者もいる。
戦力的には弱体化したのではないかと思う。心配している。明日は難しい試合になるのではないか。
アジアにおいて日本は非常に強いチーム。私がこの場で評価するのはよくない。日本はシステム、環境、資源において優れたチームだと思う。評価するのは差し控えたいと思う。
(その後、筆者から韓国語にて「もう少し具体的に明日の試合への展望を」と聞いたが、「もうこの点は聞かないでほしい」との回答)
――明日の試合の位置づけは?(日本メディアより)。
ベトナムは自国のサッカー史60年でW杯最終予選に進出するのは初めて。ここまで9試合を戦い、結果は1勝8敗。7連敗の後に1勝することが出来た。中国にホームで3-1で勝てた。
今回、アジアのトップレベルのチームと試合が出来た(点が成果)。ベトナムは今、「脱東南アジア」を考えている。今回のW杯予選を通じて、ベトナムは大きく成長できたのではないかと考えている。
――(ベトナム人記者より質問)戦力的に非常に落ちている。最近2日間でコロナ感染者も出た。その陽性者も2日で陰性となったということだが、チームに合流できるのか。スタッフの支援体制はどうなのか。
チームの現在の状況をお知らせしたい。
今、ベトナムと日本の両国サッカー協会は緊密な連絡を取り合っている。今後もこの友好関係が続いてほしい。
私たちはアウェーのチームとして日本に来た。その国の防疫対策を守るのは役割だと思っている。
しかし感染対策の締め付けが厳しい。一国の試合を代表チームが試合にやりにきたのだが、あまりに厳しい感染処置だと思う。ホームとしての配慮、アウエーへの尊重が足りないのではないか。
不当な待遇を受けるのであれば、監督は当然抗議しなければならない。
実際に抗議したところ「3日間隔離する」と言われた。
喜んで隔離されようではないか。隔離されるのは構わない。
監督として、理解できないから抗議したのだから。
陽性反応の基準値が、(ベトナムより)日本の方が厳しい。ベトナムでは(PCR検査時のCT値)が37未満だと陰性だが、日本では40が基準だ。
【参考記事】PCR「陽性」基準値巡り議論、日本は厳しめ?
私たちはこの違いを日本に到着する前まで知らなかった。この点は事前に通知するべきではないか。
今朝も3人が陽性と判定された。
チーム通訳(ベトナム語―韓国語)は簡易キットでの検査の結果陽性になり、隔離となった。その後、間接的に彼と接触した人は食事も別になっている。
通訳は簡易キットではなく、きちんとした検査を受けたいと何度も要請したのだが、これも受け入れられない。
通訳なしにどうやって試合をするのか。私はベトナム語が分からないというのに。この部分は配慮していただきたいのだが、返答はNOだ。
ベトナム代表監督として遺憾に思う。残念な気持ちでいっぱいだ。
(了)