ネパール救援:米軍オスプレイは活動継続する一方で英軍チヌークは受け入れ拒否
ネパール震災救援でイギリス軍は大型輸送ヘリコプター「CH-47チヌーク」をアントノフ大型輸送機(民間チャーター機)に載せて5月1日には送ったのですが、ネパール政府に受け入れを拒否されて今もインド側で足止めされている状態です。
CH-47チヌークが受け入れ拒否された理由は「強力な風圧で建物を壊し、大き過ぎて降りられる場所が少ないから」という事なのですが、一方で同じ特徴を持つアメリカ軍のMV-22オスプレイは現地で既に風圧で建造物を壊したという報道もありましたが、救援活動を休止したというのは誤報で、現在もネパールで活動を継続中です。なぜオスプレイの活動が継続して許可されていながらチヌークは受け入れさえ拒否されているのか、ネパール政府の判断に差が出た理由はよく分かりません。
CH-47チヌークは2005年に陸上自衛隊がスマトラ島沖地震救援の際に送り込んだ際にも建物の屋根を風圧で吹き飛ばしたことがあります。こういった事例は大型ヘリコプターではよくあることなので、被災地の真上を飛ぶ際は小型ヘリコプターを使用して、小型ヘリコプターが運ぶ物資の集積場に大型ヘリコプターが物資を運ぶ中継役にするなどの運用上の工夫が求められます。大型ヘリコプターを拠点間輸送用とすれば航続距離の短い小型ヘリコプターが後方の大型基地まで一々戻らなくてよくなり、活動範囲を広める事が可能です。他には小型ヘリコプターでは運ぶことが出来ない重機の輸送を大型ヘリコプターが担当するなど、役割分担が重要になってきます。
役割分担を行えばCH-47チヌークもネパール現地で十分に活躍できるはずなのですが、受け入れさえも拒否されているのはとても残念な事です。