チャンピオン夫妻のジム
第53代日本フェザー級チャンピオンの梅津宏治と、第2代WBAライトミニマム級、同アトム級暫定、第3代IBFアトム級王者だった宮尾綾香夫妻が、JR「馬橋」駅前に「フィットネス ボクシング RPG」ジムをオープンした。
高校3年間ラグビーに打ち込んだ梅津は、自宅から日本大学理工学部に通学中、電車の窓から見えるボクシングジムに惹かれ、軽い気持ちで入門。20歳の時だった。
日本王座に就いた彼は知性派ボクサーであった。15年におよぶ現役生活では「諦めない心と人との繋がり」を学んだという。
梅津は現役時代から、いずれはフィットネスボクシングジム経営をしたいと考えていた。引退後は、後輩の元WBA/IBFライトフライ級チャンピオン、田口良一や、元日本そしてWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級王者の船井龍一らをサポートしながら、やがて真剣に指導者の道を歩み始める。後に伴侶となる、宮尾綾香のトレーナーにもなり、キャリアを積んだ。
「トレーナーとしての最大の喜びは、一生懸命頑張っている選手が勝った時ですね。自分は過去に2度涙を流しました。初めて泣いたのは、船井が日本チャンピオンになった日です。サブセコンドでしたが、現役時代から一緒に練習していた後輩なので、本当に嬉しかったですね。
もう1回は、担当だったエアー大内の初勝利の時です。4回戦ですが、一番思い入れのある選手でした。なかなかプロになれずデビュー戦でも負けてしまったので、初勝利は感無量でしたね。
妻が世界チャンピオンに返り咲いた時は、泣くのを必死に我慢しました。帰りの電車で1人で半泣きしていましたが…(笑)」
今回立ち上げたジムの名であるRPGは、ロール・プレイング・ゲームの略である。
「大人気のゲーム、ドラゴンクエストの生みの親、堀井雄二さんの名言『人生はRPG』から頂きました。ゲームも人生も 自分の役割を演じて、自分が主人公になって"人生という舞台"をどう楽しむのか 役割を演じるのか…。
人生もロール・プレイングであって、自分が動かないと何も進まない。世界は止まったままだよ、という思いからです。妻も私も大のドラクエ好きなんです」
「自分も妻も実績のあるチャンピオンであり、夫婦で経営します。2人ともボクシング歴20年を超え、栄養学や身体の事にも詳しいので、年齢男女問わず指導させて頂きます」
ダイエットしたい方、健康になりたい方、本気で<強さ>を求める方、"チャンピオン夫婦"による温かい指導が待っている。
日本チャンピオン、トレーナーと歩を進めてきた梅津は、ジム経営者として新たなスタートを切った。これまでと同様、<理詰めの戦い>を見せてくれることだろう。