【目黒区】初めてのお神楽に感激、中目黒八幡神社2022年例大祭は屋台も出て賑わいました
中目黒八幡神社は、駅から徒歩約8分。目黒区立中目黒小学校の近くにあります。住宅街の中にあるので、訪れるのは地元の方がほとんどなのではないでしょうか。
旧中目黒村の鎮守である中目黒八幡神社の例大祭、2022年は9月24日(土)・25日(日)に斎行。からりと晴れた25日(日)に取材ついでと訪れてきました。
14時過ぎ頃に鳥居をくぐると、かすかに神楽囃子の音が聞こえてきます。参道の階段を昇ると、屋台が見えてきました!
少し早い時間だったので、境内の混雑はさほどではありません。
境内での飲食は禁止だったので、屋台はテイクアウトで対応
中目黒八幡神社が例大祭で屋台の出店を行うのは3年ぶりのことだそうです。新型コロナウイルス感染症対策の観点から、境内での飲食はお控えくださいとのこと。
少し残念ですが、久しぶりの賑わいに心が弾みますね。カラフルな屋台がずらりと並ぶ様子は、大人も子どももワクワク。
どの屋台に寄ろうか横目でみつつ、まずは神様にお参りします。
主祭神は誉田別命、創建は不明の「中目黒八幡神社」
中目黒八幡神社の主祭神は誉田別命(ほんだわけのみこと=応神天皇)で、天照大神を合祀しています。創建年代不詳ですが、東京都神社庁のホームページによると「新編武蔵風土記」に「中目黒鎮守八幡宮」とあり、名主達が輪番で御神体をご奉祭していたのではないかということ。
境内にある樹木などから推察すると、江戸初期には創建されていたであろうと考えられています。
手水舎はお祭りらしくお花が活けられ、華やかな雰囲気。ちなみに中目黒八幡神社には江戸文政期の手水舎も残されています。
その奥に三峯神社があるので、こちらにもご挨拶に。
三峯神社は秩父にある関東屈指のパワースポット。主祭神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉册尊(いざなみのみこと)です。
創建は日本武尊といわれ、拝殿の手前に珍しい三つ鳥居があるのが特徴。ご眷属は狼で、火難・盗難除けなどにご利益があるといわれています。
中目黒八幡神社は、三峯信仰にも篤い神社であり、宝登山神社ともご縁があり、神社入口の階段脇にあるさざれ石脇にある記念碑の文字は、宝登山神社・宮司さんによるものだそうです(一般社団法人 めぐろ観光まちづくり協会刊「目黒観光大百科」より)。
品川 間宮社中による「江戸の里神楽」が始まりました!
お祭りの時だけ開かれる神楽殿。中目黒八幡神社では、例大祭に「江戸の里神楽」が奉納されます。
江戸の里神楽とは、お祭りや神事などで奉納されているもので、全国各地でおこなわれているもの。江戸時代から神楽師が伝承してきた神事舞で、笛・大拍子・長胴太鼓を基本とするお囃子に仮面をつけて「古事記」や「日本書紀」の神話を演じる無言劇です。
品川 間宮社中は、この伝統芸能を今へ引き継ぎ、国指定重要無形民俗文化財に指定されています。2022年の演目は「国譲り」というお神楽で以下の4部構成です。
- 神楽囃子
- 天之菩比之上使(あめのほひのじょうし)
- 天之返矢(あめのかえしや)
- 幽顕分界(ゆうけんぶんかい )
大国主命に第一の使者として「出雲の国譲り」を迫る「天之菩比之上使(あめのほひのじょうし)」
私が拝見したのは「天之菩比之上使(あめのほひのじょうし)」。出雲の国を治める大国主命(おおくにぬしのみこと)に対し、高天原を納めている天照大神が天之菩比之命(あめのほひのみこと)を第一の使者として送り込み、「出雲の国譲り」を迫る場面です(中目黒八幡神社「江戸の里神楽 演目解説」より)。
無類の酒好きである天之菩比之命に、巧みに酒を勧める大国主命の息子、建御名方命(たけみなかたのみこと)。舞の名手である天之菩比之命に「天上の舞」を所望します。
舞っているうちに酔いが回り寝てしまった天之菩比之命に不意打ちをかける建御名方命。争いに負けて、使命を果たすことができなかったという場面です。
前から見てみたいと思っていたお神楽。今回初めて観ることができて感激です。解説が随時つくので、とてもわかりやすく臨場感がありました。
今年の例大祭は目黒区内の神社で例年通りの形にできるだけ近づけようと、氏子さん、神職さんが努力を重ねて斎行されていました。御神輿の渡御はどの例大祭でも控えており、少し寂しさはありましたが仕方のないこと。
来年はダイナミックな御神輿の渡御も実現できることを祈っています。
【神社概要】
中目黒八幡神社
住所:東京都目黒区中目黒3-10-5
問合せ:03-3712-5507