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「1試合28失点」は1900年以降5番目の多さ。5回を終えて25失点は最多ながら、ワーストは免れる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ライメル・タピア(背番号「15」)Jul 22, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月22日、ボストン・レッドソックスは、5対28でトロント・ブルージェイズに敗れた。

 MLB.comのマニー・ランダワによると、1900年以降のナ・リーグとア・リーグにおいて、1試合に25失点以上は延べ20チーム目だという。最多は30失点。2007年8月22日(ダブルヘッダー1試合目)に、ボルティモア・オリオールズが記録した。28失点は、1929年7月6日(ダブルヘッダー2試合目)のフィラデルフィア・フィリーズと並び、5番目に多い。

 また、レッドソックスは、99年ぶりに球団記録を塗り替えた。それまでは、1923年7月7日(ダブルヘッダー1試合目)の27失点が最も多かった。

 球団記録のみならず、1900年以降のメジャーリーグ記録を更新してもおかしくなかった。ライメル・タピアのランニング満塁本塁打――センターのジャレン・デュランが打球を見失った――などにより、最初の5イニングに25失点。5回を終えた時点で25失点は最も多く、1922年8月25日のフィリーズと並んだ。

 さらに、レッドソックスは、4回表に続き、6回表にもダニー・ジャンセンにホームランを打たれ、2点を追加された。6イニングを終えた時点で27失点は、それまでの最多を上回る。レッドソックスのホーム・ゲームなので、ブルージェイズの攻撃は、あと3イニング残っていた。

 だが、7回表と8回表は、ジェイク・ディークマン澤村拓一が1イニングずつを投げ、無失点で終わらせた。ディークマンは最初の打者にヒットを打たれたものの、そこから3人続けて討ち取り、澤村は3人ともアウトに仕留めた。9回表は、二塁を守っていたヨルマー・サンチェスが登板し、1点を取られた。最初の6イニングとは対照的に、その後の3イニングは1失点にとどめ、試合全体としては30失点に達しなかった。

 なお、レッドソックスは、オールスター・ブレイクを挟み、二桁失点が3試合続いている。7月16日が1対14、17日は2対13だ。6月27日以降は6勝15敗。ワイルカード・レースの順位は、1位から5位へ下降した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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