なぜバルサはガビを“確保”できていないのか?レヴァンドフスキ、デンベレ...補強と不透明な去就。
新たなシーズンに向けて、動き始めている。
バルセロナは今季、リーガエスパニョーラ最終節を残した時点で2位でのフィニッシュを決めた。だがヨーロッパリーグ、コパ・デル・レイを含めてタイトル獲得はかなわず、2021−22シーズンを無冠で終えることになっている。
■補強の可能性
次のシーズンを考え、必要なのは補強だ。ロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)、ラフィーニャ(リーズ・ユナイテッド)、フランク・ケシエ(ミラン)、アンドレアス・クリステンセン(チェルシー)と複数選手の名前が候補に挙げられている。
一方、バルセロナは期待のカンテラーノを確保しなければならないだろう。そう、ガビである。ガビとバルセロナの契約は2023年夏までとなっている。
バルセロナは今季、アンス・ファティ、ペドリ・ゴンサレス、ロナウド・アラウホと契約延長を行い、彼らの契約解除金を10億ユーロ(約1350億円)に引き上げた。譲渡不可能――。それはクラブからの明確なメッセージだった。ガビに関しても、クラブは同様に複数年契約と高額な契約解除金設定を条件に織り込む考えだ。
当然、優先すべきはガビとの契約延長だ。しかしながら一方で、バルセロナはレヴァンドフスキやラフィーニャとの交渉を前進させたいと思っている。
レヴァンドフスキは先日、バイエルンでの試合がラストマッチになると示唆していた。2023年夏までバイエルンとの契約を残すレヴァンドフスキだが、移籍の意思を固めている。しかしバイエルン側にレヴァンドフスキを安売りするつもりはなく、今後話し合いが待っている。
ラフィーニャについては、リーズが2部に降格すれば、契約解除金が2500万ユーロ(約28億円)になる。その場合、バルセロナとしては、またとない好機だ。
■デンベレの契約延長問題
また、バルセロナはウスマン・デンベレとの契約延長問題を残している。
今季終了時に契約が満了するデンベレだが、契約延長にサインしていない。マテウ・アレマニーGD(ゼネラルディレクター)とムサ・シソコ代理人が話を詰めてきたものの、デンベレ側が首を縦に振っていない。
「補強担当の者たちに任せたい。ディテールについては答えない。よりコンペティティブなチームにできるように彼らは働いてくれている」
「財政的には、非常に難しい状況だ。今後一年で、献ぜ円な状態に戻せたことを宣言したいと考えている。まずはビジネスをまとめ、それから補強だ。財政を普通の状態に戻せれば、すべてのオペレーションが実行可能になる」
これはジョアン・ラポルタ会長の言葉だ。
バルセロナは昨年夏、フリートランスファーで大半の選手を獲得した。エリック・ガルシア、メンフィス・デパイ、セルヒオ・アグエロらが加入。チームは再出発を図った。
この夏も、バルセロナに使えるキャッシュが多く残されているわけではない。フリーで獲得できるケシエ、クリステンセンらは魅力的だが、レヴァンドフスキやラフィーニャの獲得に無理をする前に、ガビを確保する必要があるだろう。このクラブは、育成とカンテラを基盤に成功してきたからだ。