アメリカ政府、韓国にF35A戦闘機またはF15SE戦闘機の輸出許可
2013年4月2日にアメリカ国防安全保障協力局(DSCA)は、韓国にロッキードマーティン社製F-35Aライトニング2戦闘機60機を輸出する案及びボーイング社製F-15SEサイレントーグル戦闘機を60機輸出する案をアメリカ議会へ報告しました。韓国政府はこの二つの提案に加えて欧州のユーロファイター/タイフーン戦闘機を含めた計3機種のうちどれか1機種を6月までに次期戦闘機として選定する予定です。
輸出許可はF-35AとF-15SEの両方に出ましたが、アメリカ製の候補機の中から実際に選ばれるのはどちらか一つです。両方買うという話ではありません。また韓国政府がユーロファイターを選べばF-35AとF-15SEは両方とも落選になります。
DSCAの報告によると韓国向けF-35A戦闘機60機はFMS(対外有償軍事援助、輸出窓口はアメリカ政府)により売却されて、機体、関連機材、部品、訓練、後方支援を含めて総額108億ドル(約1兆円)、F-15SE戦闘機60機はDCS(直接商業売却、輸出窓口は兵器製造メーカー)とFMSによる組み合わせで売却されて、FMSによる売却では関連機材、部品、訓練、後方支援を含めて24億800万ドル(約2300億円)という見積もりになっています。見積もり額の大きな差はF-35Aは総額なのに対して、F-15SEはDCSで売却する機体そのものの費用を含んでいないからです。今回のDSCAの報告書はF-15SEの方にだけ題名に「サポート」とあり、FMSでの関連機材などの売却額のみが掲載されています。
なお去年のDCSAの報告では日本向けF-35Aが42機で総額100億ドルで、韓国向けの60機108億ドルより割高となっています。日本向けはライセンス生産で韓国向けは完成品輸出と違いが有る為、金額も差異が出ています。