ノート(6) いよいよ最高検が逮捕に向けて捜査を開始する
~葛藤編(3)
逮捕当日(続)
指揮と決裁
厚労省の虚偽証明書事件に対する強制捜査の着手や、その後の起訴、保釈阻止、公判での立証活動などは、いずれも最高検や大阪高検の指揮、決裁を受けつつ、大阪地検が組織を挙げて取り組んでいた問題だった。
「検察ストーリー」と揶揄(やゆ)される事件の全体像、着手や起訴のタイミング、事件関係者の取調べ時期、サインさせる供述調書の内容、捜索場所の選定、公判で読み上げる書面、出すべき証拠やその順序など、どれ一つとっても、幹部から細々とした注文がついていた。
元課長の起訴後、証拠改ざんに至った際、背中を押される決定的な要因となったのも、ある指示が検事総長から下りてきたからだった。
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