2020年に「最も平均に近い防御率」を記録したのは、最多勝投手の一人!?
今シーズン、日本プロ野球の平均防御率は3.85だった。パ・リーグの平均は防御率3.86、セ・リーグは防御率3.83だ。
規定投球回(120試合×1.0=120イニング)以上の投手に限ると、パ・リーグの平均は防御率3.43、セ・リーグは防御率2.35となる。各リーグの平均に最も近かったのは、防御率3.46の有原航平(北海道日本ハムファイターズ)と防御率2.26の西勇輝(阪神タイガース)だ。もっとも、規定投球回に達した投手は、パ・リーグに8人、セ・リーグに6人しかいない。
規定投球回の60.0%以上に当たる、72イニング以上を投げた投手は、パ・リーグに25人、セ・リーグに26人いた。この人数は、規定打席(120試合×3.1=372打席)以上の打者、パ・リーグの26人とセ・リーグの27人とほぼ同じだ。こちらの平均防御率は、パ・リーグが3.57、セ・リーグは3.25。それぞれ、防御率3.60の涌井秀章(東北楽天ゴールデンイーグルス)と防御率3.36の青柳晃洋(阪神)が最も近い。
この2人のうち、涌井は11勝を挙げ、福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大と石川柊太とともに、最多勝のタイトルを手にした。涌井は、西武/埼玉西武ライオンズ(2007年と2009年)と千葉ロッテマリーンズ(2015年)でも、最多勝を獲得している。3球団で最多勝は、史上初だ。黒星は4つしかなく、勝率は.700を超えた。一方、青柳は7勝9敗。2つ負け越した。
涌井の最多勝は、援護点の多さも理由だが、前半10登板の防御率は2.25と低かった。それに対し、後半10登板の防御率は5.08。各スパンの勝敗は、8勝1敗と3勝3敗だ。
なお、72イニング以上の投手のうち、奪三振率の平均に近かったのは、パ・リーグが涌井(7.62/平均7.58)、セ・リーグは広島東洋カープの九里亜蓮(7.30/平均7.36)。与四球率はオリックス・バファローズの田嶋大樹(3.09/平均3.00)と横浜DeNAベイスターズの井納翔一(2.63/平均2.63)、K/BBは福岡ソフトバンクの石川(2.51/平均2.53)と横浜DeNAの大貫晋一(2.79/平均2.80)、WHIPは福岡ソフトバンクの千賀(1.21/平均1.21)と広島東洋の九里(1.22/平均1.22)がそうだった。
最も平均的な打者については、こちらに書いた。