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過去5年間に30本塁打以上を2度記録したスラッガーがエンジェルスに加わる…マイナーリーグ契約で

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミゲル・サノー Aug 9, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスに、ミゲル・サノーが入団するようだ。ESPNのエンリケ・ロハスによると、マイナーリーグ契約で合意に達し、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)としてメジャーリーグ・レベルのスプリング・トレーニングに参加するという。

 2015年の夏にメジャーデビューしたサノーは、80試合で18本のホームランを打った。その後は、2016~18年の3シーズンに25本塁打以上が2度、2019~21年の3シーズンは30本塁打以上が2度。2019年が34本塁打、2021年は30本塁打だ。なかでも、2019年の11.2打数/本は、このシーズンに30本塁打以上の58人中5位に位置した。ちなみに、2位には、10.4打数/本(45本塁打)のマイク・トラウト(エンジェルス)がいた。

 ただ、サノーは故障が多く、1シーズンの出場は、2021年の135試合が最多。あとの7シーズンは、いずれも120試合に届いていない。3年3000万ドルの契約3年目だった2022年は、左膝を痛めて故障者リストに2度入り、20試合の出場にとどまった。そのオフ、ミネソタ・ツインズに年俸1400万ドル(解約金275万ドル)の球団オプションを破棄され、2023年はFAのまま過ごした。

 とはいえ、年齢は、5月で31歳だ。健康さえ維持できれば、パワーを再び発揮してもおかしくない。サノーは、三振が多いものの、四球も少なくはない。

 また、サノーがメジャーリーグ復帰をめざす球団として、エンジェルスは、適しているように見える。

 これまで、メインとしてきたポジションは、最初の5シーズンが三塁、その後の3シーズンは一塁だ。サノーの守備はうまくはないものの、三塁手のアンソニー・レンドーンは、過去3シーズンとも100試合以上に欠場している。一塁手のノーラン・シャヌエルは、今年がプロ2年目。昨年は、マイナーリーグの22試合とメジャーリーグの29試合に出場し、出塁率はどちらも.400以上ながら、ホームランは1本ずつしか打っていない。シャヌエルは左打者、サノーは右打者だ。

 エンジェルスは、FAになった大谷翔平がロサンゼルス・ドジャースへ去り、打線のパワーはダウンしている。サノーの前に、こちらもマイナーリーグ契約で入団したハンター・ドージャーは、三塁と一塁に加え、外野の両コーナーも守るが、シーズン本塁打が20本を超えたのは、26本塁打の2019年だけだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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