蕎麦蕎房 かみしろや【会津若松市】高遠そば1998年まで会津だけのメニュー 今も信州 伊那と会津だけ
飲食、観光、会津ぶらぶら。朝寝、朝湯が大好きな あいづ くらし、です。
(庄助さんばりのダメ人間みたいな自己紹介ですが、そこはご笑覧)
蕎房 かみしろや
「蕎麦」と書いて「そば」と読みますが、これは熟字訓(じゅくじくん)で、漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方です。
「蕎」は「キョウ」「ギョウ」という読み方で、「そ」という読みはありません。
なので、蕎房は、「きょうぼう」で良いと思うのですが、一般的な呼称なのかは分かりません。
「かみしろや」は鶴ヶ城(若松城)の近く、福島県立博物館のすぐ北側にあります。
評判の良い店で、駐車場がいっぱいなら諦めるところ、一台が空いていたので車を入れて蕎麦を食べてきました。
天ざるそば 上撰
高遠に鴨汁の2種類が味わえる + 天ぷら
大奮発して、「上撰」を注文。
高遠に鴨汁の2種類の汁と天ぷらがついてきます。
高遠は「たかとお」と呼びます。
会津藩は、1643年に保科正之(ほしな まさゆき)が移封(いほう)された後、保科正之を藩祖とする会津 松平家の藩となりました。(保科から松平という姓に変わったのは会津第3代藩主の松平 正容から)
この保科正之は、高遠藩 → 山形藩 → 会津藩 と移封されましたが、大の蕎麦好きであったことから高遠藩からそば職人や穀屋などを連れて来ました。
高遠藩とは、現在の長野県伊那市。信州そば発祥の地となる伊那市なのです。
「高遠そば」とは、高遠からきた人たちが食べている食べ方が今の形(名称)になっています。
地名であり、その土地から来た人たちを会津の人が蕎麦の食べた方として呼んだので、全国で会津だけの呼称となりました。
1998年、長野県伊那市高遠町で、家庭食として各家庭に受け注がれてきた「辛つゆそば」を「高遠そば」という名に変えて店で出しました。
という事で現在は、「高遠そば」は会津と伊那にある蕎麦の名称となっています。
会津では、辛み大根の汁を蕎麦つゆで好みに割って食べます。写真が辛み大根の汁。
里帰りとなった伊那では、大根おろしからとった絞り汁を味噌で割ったものが使われています。
長い歴史の中で風土にあった変化があったのでしょう。
会津の「高遠そば」は、蕎麦がスッキリと味わえます。
美味しい蕎麦ならではの食べ方ですが、自分はそんなに舌がこえているわけではないので、蕎麦つゆを多めに入れて食べました。
絡み大根の汁に対して、鴨汁はどっしり濃厚でワイルド。
「高遠そば」と「鴨汁」、両極の味わいが楽しめます。
最後は蕎麦つゆで薄めて飲みました。
「かみしろや」の天ぷらは好きです。
天ぷら屋さんって行った事がないので、大抵、蕎麦屋やうどん屋の天ぷらを食べることが多くなりますが、癖もなく上品な揚がり具合です。
素材の味も十分にします。
天ざるそば 上撰は、2,200円。
天丼セット
ざる蕎麦に天丼のセット。
蕎麦つゆが上品なだけあって天丼も美味しい。
ちなみに、つれあいが「かみしろや」の一番気に入っているところは、ネギ。
丁寧な細切りのネギが美しくも美味しい。
「かみしろや」は喉越しの良い上品な蕎麦。
会津の郷土蕎麦は更科系の細くて白い蕎麦と考えられています。
そもそも、二八蕎麦が保科正之の時代にはなかったので、十割蕎麦一択です。
更科そばの「更科」(さらしな)は、元は長野県の地名「更級」。
1789年、堀井 清右衛門が「信州更科蕎麦所 布屋太兵衛」と看板を上げて蕎麦屋を始めてますが、初代、堀井 清助は、信州高遠の保科家(後の会津松平家)の御用布屋でした。
堀井 清右衛門は当時の保科家の領主に申し出て、保科の「科」の字を当てることを懇願し、許可が下りたことで「更科」になったとされています。
天丼セット、1,370円。
日本酒 会津印
日本酒をいただきました。
焼き味噌がついてきました。
気がきいてるね、洒落だね、蕎麦にお酒なんて乙(オツ)だね。
つれあいがお酒を楽しまれたので、自分が運転して帰ります。
会津印 1合 380円
会津印は花泉酒造(南会津)のお酒。
南会津は、しっかり系のお酒が多いですが、会津印は口当たりの良い飲みやすいお酒です。
店内
店の奥の小上がり。
ちょうど、入れ替わりのタイミングで写真が撮れました。
ロの字型になったカウンター席もありますが、こちらはタイミングが合わず、写真なし。
ロの字型になったカウンター席の上部は吹き抜けになっていて明るい。
【蕎房 かみしろや】
〒965-0807 福島県会津若松市城東町1−1
公式ホームページ:かみしろや
お城(鶴ヶ城)に近く、会津の「蕎麦」らしい「蕎麦」を提供されるので、旅行客風の方もおいでです。
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