なぜバルサはB・シウバを獲得しようとしているのか...ペドリ、ガビと組む“黄金の中盤”の構想。
マーケットが閉まるまで、移籍の可能性は除外できない。
今夏、積極的に動いているのがバルセロナだ。ロベルト・レヴァンドフスキ、アンドレアス・クリステンセン、フランク・ケシエ、パブロ・トーレ、ラフィーニャ、ジュール・クンデをすでに獲得しており、加えてマルコス・アロンソ(チェルシー)を確保しようとしている。
バルセロナはここまで1億5300万ユーロ(約213億円)を補強に投じている。だが彼らは止まらない。次のターゲットとして、ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ)を狙っているとされる。
■6つのポジション
B・シウバは2017年夏にモナコからシティに移籍した。シティが移籍金5000万ユーロ(約70億円)を支払い、移籍が成立。ペップ・グアルディオラ監督の下、少しずつ地位を固めていった。
昨季、B・シウバは50試合に出場して13得点7アシストを記録した。グアルディオラ監督に「ベルナルドは完璧な選手だ。1試合に12Kmから15Km走ることができる。それも、無駄走りはない。常に意味のあるランニングをしている」と言わしめるパフォーマンスだった。
「彼は唯一無二の選手だ。6つのポジションで、簡単にプレーできる。良いプレーをする選手はたくさんいる。しかし、彼は、それだけではなくフットボールを理解している」
現在のバルセロナには、ペドリ・ゴンサレス、ガビと将来有望な若手選手とカンテラーノが揃っている。
シャビ・エルナンデス監督はそこにB・シウバを組み込む考えなのかも知れない。
あるいは、ウィング、ゼロトップ起用も考えられる。彼は「6つのポジションでプレーできる」選手だからだ。
黄金時代のバルセロナでは、シャビ、アンドレス・イニエスタ、セルヒオ・ブスケッツが中盤を牛耳っていた。リオネル・メッシの決定力があってこそのチームではあったが、中盤の構成力と安定感がペップ・バルサの肝だった。
いま、圧倒的な強さを誇るレアル・マドリーにおいては、カゼミロ、トニ・クロース、ルカ・モドリッチがミドルゾーンに君臨している。近年、4度のチャンピオンズリーグ優勝を果たしたマドリーで、「CMK」が必要不可欠な存在だったのは明らかだ。
■移籍の可能性
B・シウバは2025年夏までシティとの契約を残している。しかし、彼には移籍を考慮している節がある。
「マンチェスター・シティとの関係というのを、僕は常にリスペクトする。チームメート、スタッフ、サポーター…。だから、どのようになるとしても、それは敬意が伴った方法でなければいけない」とはB・シウバの弁だ。
「何が起こるかは僕には分からない。クラブとは誠実な関係を築いてきた。僕の態度は明確で、彼らは僕の希望を知っている。シティに残ったら、僕は幸せだ。敬意を持って、このクラブのためにベストを尽くす。でも、フットボールの世界だ。どうなるか見てみよう」
一方、バルセロナには、まだ選手登録の問題が残されている。
「第四のレバー」といわれる『バルサ・スタディオ』の24.5%の売却を検討しており、それによって更なる資金調達が見込まれている。
B・シウバの獲得はある種のリスクでもある。ただ、彼の加入が戦力アップになるのは間違いない。ジレンマを抱えるなか、時計の針は刻まれていく。