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最も多くの日本人メジャーリーガーがデビューした球場はどこ?

宇根夏樹ベースボール・ライター
解体中のシェイ・スタジアム 31 Jan 2009(写真:Shutterstock/アフロ)

 1964年9月1日、サンフランシスコ・ジャイアンツのマッシー村上(村上雅則)は、シェイ・スタジアムのマウンドに上がり、最初の日本人メジャーリーガーとなった。この球場は、2009年にシティ・フィールドへ移るまで、ニューヨーク・メッツが本拠としていた。

 村上が初登板したシェイ・スタジアムを皮切りに、日本人メジャーリーガーがデビューした球場は29を数える。なかでも、シアトル・マリナーズの本拠地、セーフコ・フィールドからは、最多の6人がデビューした。マリナーズの佐々木主浩(2000年)、イチロー(2001年)、城島健司(2006年)、岩隈久志(2012年)だけでなく、セントルイス・カーディナルスの田口壮(2002年)とテキサス・レンジャーズの福盛和男(2008年)も、初出場はここだった。マリナーズに入団した菊池雄星も、日本開幕シリーズで投げなければ、名称がTモバイル・パークに変わったこの球場でデビューするだろう。今シーズン、マリナーズは3月28日のホーム開幕戦から6試合を行い、その後、遠征に出る。

 2番目に多い5人は、メッツと同じように、2008年までニューヨーク・ヤンキースが使用した、ヤンキー・スタジアムだ。ちなみに、現在のヤンキー・スタジアムでデビューした日本人選手は、田澤純一(2009年)しかいない。

 次いで、レンジャーズの本拠地であるグローバルライフ・パーク(現名称)が、シェイ・スタジアムとともに4人で並ぶ。アトランタ・ブレーブスが2016年まで本拠としたターナー・フィールド、トロント・ブルージェイズのロジャース・センター(現名称)、サンディエゴ・パドレスのペトコ・パークからは、それぞれ3人がデビューした。初出場がUSAではなくカナダだった3人は、ヤンキースの松井秀喜(2003年)と田中将大(2014年)、ミネソタ・ツインズの西岡剛(2011年)だ。松井のデビュー当時はスカイドームという名称で、2年後の2005年からロジャース・センターに変わった。菊池の場合、東京ドームで行われる開幕シリーズに登板すると、北米以外でメジャーデビューした初の日本人選手となる。先月、「菊池雄星は史上4人目の「日本でMLBデビューした選手」に!? 3人目は新人王投票2位」で書いたとおり、日本でデビューしたメジャーリーガーは、これまで3人しかいない。

 日本人メジャーリーガーが3人以上デビューした7球場のうち、シェイ・スタジアムと旧ヤンキー・スタジアムはすでに存在せず、ターナー・フィールドはアメリカン・フットボールのスタジアムに生まれ変わった。ジョージア・ステイト大が使用している、ジョージア・ステイト・スタジアムがそうだ。グローバルライフ・パークも、今シーズン限りで役目を終える。レンジャーズは来シーズンから、開閉式の屋根がついたグローバルライフ・フィールドへ移る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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