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【郡山市】辛党の聖地!元祖台湾ラーメンが味わえる「味世(みせい)」

hassy地域情報、フード、ワインライター(郡山市)

|名古屋発祥、台湾ラーメン

「台湾ラーメン」なるものをご存知でしょうか。台湾にルーツを持つ、日本発祥の麺料理です。特徴は、豚挽き肉・ニラ・長ねぎ・モヤシなどを唐辛子で辛く味付けして炒めたものを、醤油ベースのスープを加えて茹でた麺にかけ、大量のニンニクを入れたかなりスパイシーなラーメンです。この1杯を食べた後は何も予定を入れない方が良いと言われるほど。しかし、このなんとも言えない癖になる味わいに、たちまち「名古屋めしの一種」と称されるほど人気となりました。

名古屋発祥の台湾ラーメンは「旨辛」の王道をいく味!
名古屋発祥の台湾ラーメンは「旨辛」の王道をいく味!

台湾ラーメンの発祥は、名古屋市にある台湾料理店「味仙(みせん)」です。この台湾ラーメンは、台湾人のオーナーが台南名物の「担仔麺(タンツーメン)」を元に四川料理の「担々麺」の要素を取り入れ、店の賄いで出したところこれが大好評。常連客を中心に「私も食べたい!」という声が後を絶たず、店のレギュラーメニュー化され、看板メニューとなりました。

何を隠そう、私もこの台湾ラーメンに魅せられた一人。仕事で名古屋へ行く機会があり、噂に聞いていた台湾ラーメンを実食。名古屋出張の際には隙あらば「味仙」へ行くほどにハマりました。「旨辛」の王道を行く名古屋めしです。

|イタリアン、ノーマル、アメリカン、独特のネーミング

そんな台湾ラーメンが郡山でも食べられます安積町にある「台湾ラーメン 味世(みせい)」です。こちらのオーナー・鈴木さんは台湾ラーメン発祥の「味仙」の藤が丘店で修行をし、2012年12月に「台湾ラーメン 味世(みせい)」をオープン。メニューにはイタリアン、ノーマル、アメリカン、辛さ無しがあります。

イタリアン(激辛)、ノーマル(中辛)、アメリカン(やや辛)、辛さなしの4種類
イタリアン(激辛)、ノーマル(中辛)、アメリカン(やや辛)、辛さなしの4種類

一風変わった名称ですが、これは辛さ別の表記で、「アメリカン」はコーヒーのアメリカンのように薄め、つまり辛さが弱めというもの。「イタリアン」は激辛レベルでなかなかの唐辛子の量です。これが辛さの最上級と思いきや、ハバネロトッピングもあるようです。全く辛い物がダメな人には「辛さ無し」もあります。辛い物が好きという方には、断然、ノーマルの台湾ラーメンを食べていただきたいです。

ちなみに、自称辛党の私、過去に1度だけイタリアンに挑戦しましたが、すすれませんでした。(一度でも咳き込むと、再起不能になるため)しかしながら、来店中、毎回1~2人くらいはイタリアンをオーダーする方がいます。辛い料理が中心なので、辛党が集うのでしょうね。

醤油ベースに炒め野菜とひき肉、ニンニクがたっぷり
醤油ベースに炒め野菜とひき肉、ニンニクがたっぷり

麺はパツっとした食感のストレート麺、これがまた適度にスープを吸い味が馴染み、美味。このスタイルは、本場、名古屋と一緒です。

|女性に配慮した店づくり

過去、何度か来店した際、厨房もホールもスタッフさんは女性の方ばかりでしたた。私はすっかりオーナーは女性の方なのだろうと思い込んでいましたら、この日は、夏休みを取られているスタッフの代わりにお店に出ていたオーナーの鈴木さんに遭遇。そこで色々お話しを伺いました。

震災時には被災地支援として炊き出しをして喜ばれたという、はじける笑顔が素敵なオーナー・鈴木さん
震災時には被災地支援として炊き出しをして喜ばれたという、はじける笑顔が素敵なオーナー・鈴木さん

実は、オープン当時はオーナー自ら店に立ち、アルコール類も提供していたそうです。すると、男性客が多くなり、女性が入り難くくなってしまったそう。そこで、お酒の取り扱いをやめ、スタッフも女性中心としたそうです。(男性スタッフもいらっしゃいます)

今日も女性スタッフさんが頑張っていますが、恥ずかしいから写さないで・・・と。
今日も女性スタッフさんが頑張っていますが、恥ずかしいから写さないで・・・と。

さらに、こんな配慮も。

「女性で辛い物好きの方は結構いらっしゃいます。また、うちのラーメンはそんなに麺の量が少ないわけではないですが、案外女性でも大盛りを食べられるんですよ。厨房へのオーダーは小さめの声で伝えるようにしています」とのこと。

これは、嬉しいですよね!

パーテーションで区切られたカウンター、基本は旨辛系メニューのみ
パーテーションで区切られたカウンター、基本は旨辛系メニューのみ

食いしん坊レディの気持ちを汲んでくれる「味世」さん、ますますファンになりました。また、「ハーフ」サイズもあります。

|最後の一滴まで楽しめる、おじやセット

元祖台湾ラーメンからのれん分けする形で始まったのですが、味世さんにも独自のメニューがあります。その一つが「おじやセット」(追加200円)です。これは、麺を食べ終わったスープにご飯+溶き卵を加えて2~3分チンしたもの。旨辛のスープがご飯に浸み込み、さらに卵のマイルドさが相まって2度おいしいメニュー。チーズやカレー粉のトッピングで味変することもできます。

締めのおじや!
締めのおじや!

おじやセット(200円)で2度おいしい!
おじやセット(200円)で2度おいしい!

このメニューも、元々は「味世」の賄いメニューだったとか。手間暇かけた美味しいスープこそ最後まで堪能して欲しいという想いもあり、おじやにしたところ、絶品だったのです。

元祖台湾ラーメンの「味仙」も各店にオリジナルメニューというのは結構あります。そうしたカルチャーも受け継いでいるんですね。とにかく、辛くて旨くて、そして配慮が行き届いた「味世」で台湾ラーメンをご賞味ください。

ああ、この記事を書きながら食べに行きたくなってきました・・・(笑)

【店舗情報】名古屋台湾ラーメン味世(みせい)
住所:〒963-0107 福島県郡山市安積3-301
電話:024-937-0077
営業時間:ランチ 11:00~14:00、ディナー 17:00~21:00(L.O 20:30)
定休日:月曜(月曜祝日の場合は火曜)
駐車場:あり
公式サイト:なし

地域情報、フード、ワインライター(郡山市)

ワイン、料理、食材などのフード系記事が得意。果樹園カフェや産直に出没すること多し。実家の山を整備して造ったプライベートのキャンプサイトや県内外のキャンプ施設などでアウトドアを楽しむ一面も。日本ソムリエ協会ワインエキスパート/SAKURAアワード2024審査員。

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