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トップリーグの見どころはローテーション? &どこよりも遅い開幕節ベスト15【ラグビー雑記帳】

向風見也ラグビーライター
今季の目玉、バレット。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 国内最高峰のラグビートップリーグは2月20日に開幕し、同月までに2節が消化。4月中旬までのリーグ戦では、選手のローテーションが頻繁に見られそうだ。

 本来1月16日に始まる予定だった同リーグは、複数クラブでのクラスター発生により延期。大会フォーマットの書き換えを余儀なくされていた。かくして定まった現行のシステムでは、レッドカンファレンス、ホワイトカンファレンスの各8チームが4月中旬までに計7試合の総当たり戦を実施。以後は下部トップチャレンジの上位陣を含む形で、全チーム参加のプレーオフトーナメントに挑む。

 つまり、仮にリーグ戦では全敗しても日本一になる可能性が残されている。

 今回のトップリーグの成績は2022年からの新リーグでのディビジョン分け(上位層はトップリーグより4枠少ない12)に影響されるが、審査対象は「ホームスタジアムの有無」「アカデミーの設置」など多岐に渡る。この7戦における白星の数がどこまで未来に影響するかは、未知数だ。

 リーグ戦の勝敗と王座の行方との関連性が問われるなか、各クラブもリーグ戦をプレーオフに向けた基盤作りに注力しているような。

 元ニュージーランド代表主将のキアラン・リードら大物を擁するトヨタ自動車のサイモン・クロンヘッドコーチは、選手選考についてこう示唆している。

「現代のフォーマット上はベストなコンビネーションを第7節までに確認し、全員のプレーヤーがチャンスを得られるようにしたい」

 果たして、オーストラリア代表主将のマイケル・フーパーを今度の第3節で初先発させる。第2節で急遽リザーブ出場から活躍の吉田杏も第3節のスターティングラインナップに入っており、複数の起用法を試したい意図が伝わる。

 その他、事実上のディフェンディングチャンピオンである神戸製鋼は軽い故障の見られた主力は大事を取り休ませており、過去優勝5回のサントリーも試合ごとに先発の顔ぶれを大きく入れ替えている。

 各部がどんな視点で底力をつけようとしているかが、リーグ戦の見どころのひとつとなろう。

<私的第1節ベストフィフティーン>

1、稲垣啓太(パナソニック)…強烈なタックルの後にすぐに起き上がる。ハンズパスでチャンスメイク。

2、マルコム・マークス(クボタ)…破壊力。スクラム。

3、平野翔平(パナソニック)…途中出場から強力なスクラム。

4、秋山大地(トヨタ自動車)…グラウンドの端からの折り返しの縦突進へ強烈なタックル。ノーサイド直前にラインアウトをターンオーバー。

5、フレッド・ヒュートレル(ヤマハ)…豊かなスピードで3トライ。

6、リーチ マイケル(東芝)…持ち前のフットワークで追い上げのトライ。マイケル・フーパーとのジャッカル合戦!

7、ベン・ガンター(パナソニック)…接点で頻繁にジャッカル。効果的なラン。

8、ナエアタ ルイ(神戸製鋼)…要所でのジャッカル。タッチライン際での豪快な突破とオフロードパス。

9、TJペレナラ(NTTドコモ)…じっくり試合を整え、隙を突いてスコアを演出。

10、ボーデン・バレット(サントリー)…オフロードパスあり、ランニングあり、防御の裏へのキックありと変幻自在。

11、テビタ・リー(サントリー)…5トライ。狭いスペースも力強くこじ開ける。

12、中村亮土(サントリー)…死角へ駆け込み突破。防御の出足(特にモールから球が出た瞬間の相手との間合いの詰め方!)。

13、ティム・べイトマン(東芝)…フットワーク。地面に倒れたフーパーの起き上がりを巧妙に防ぐなど下働きもタフ。

14、ベン・スミス(神戸製鋼)…献身的なサポートプレーでチャンスをお膳立て。

15、野口竜司(パナソニック)…キック処理。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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