スウェーデン少女の学校ストライキがノルウェーに拡大 「大人は気候変動対策で動いて」
ノルウェーの首都オスロでは、毎週金曜日になると、若者たちが気候変動対策を求める運動を国会前で行っている。
隣国スウェーデンで16歳のグレタ・トゥーンベリさんがひとりで始めた抗議活動は、世界各地に広がっている。
グレタさんの活動はノルウェーでも連日大きく報道されている。
オスロでの毎週のデモ活動は、各党の青年部や青年自然環境団体などが主体となって企画されている。
小学校から大学生までの幅広い年齢層の若者が集まり、国会議員らが行き来する国会前広場で、プラカードを持って大きな声で訴える。
9歳のイルバさんは、小学校4年生。22日のデモ参加者で最年少だ。
この週は現地では学校が冬休みのため、オスロでの運動に参加しようと、遠く離れた町からやってきた。「気候変動は大事な問題だと思うから、学校ストライキに参加したかった。大人にはもっと行動してもらいたい」と取材で語る。
イルバさんは地元での学校ストライキにも参加し、今月ですでに4回目。初日は学校に行かず1日中ストライキをし、ほかの金曜日には放課後に参加。学校側は彼女の行動にむしろポジティブに反応したという。
イルバさんに同行して見守っていた母親は、「娘のことを誇りに思う」とほほ笑んだ。
2年後の国政選挙まで抗議活動を続ける
現場を指揮していたのは、「緑の環境党」大学生部のシグネ・ヨハネッセンさん(オスロ大学学生・26歳)。「毎週20~40人の若者が参加しています」と話す。次の国政選挙(2021年)まで、毎週金曜日に学校ストライキを行うつもりだという。
ノルウェーでは、子どもたちが学校に行かず抗議を行うことは、大きく問題視されていない。
気候変動問題は、今の子どもたちが大人になってから悪化するとされている。その本人たちが選挙権を持たず、大人の決める交渉のテーブルに参加できないことが、むしろ疑問視されている。
3月末には全国各地で大規模な学校ストライキが同時開催される予定。
Photo&Text: Asaki Abumi