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ワラターズに惜敗のサンウルブズ。指揮官は試合当日に合流。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
多国籍軍という特徴を持つ。(写真:アフロ)

 国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズは2月23日、東京・秩父宮ラグビー場で国内初戦にあたる第2節に挑み、ワラターズに30―31で惜敗した。16日の初戦(シンガポール・ナショナルスタジアム)でシャークスに10―45と敗れたのを受け、防御とスクラムを改善していた。

 日本代表とリンクするサンウルブズは今季、同代表資格を持たない外国人選手を軸に据えて同代表候補にもプレーの機会を与えている。ヘッドコーチのトニー・ブラウンは同時並行で進む日本代表候補合宿(正式名称はワールドカップトレーニングスコッドキャンプ)に帯同中だ。

 試合後、スコット・ハンセンヘッドコーチ代行とマイケル・リトルゲームキャプテンが会見した。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

ハンセン

「結果にはがっかりしましたが、誇りを持てました。1週間の準備もよかったです。ここから前に行くしかない」

リトル

「同じ内容になりますが、結果にはがっかりしていますが誇りに思えるパフォーマンスもできました。ここまでの準備もよかったですし、ここからどんどんうまくなるしかない」

――スクラムが改善された。

ハンセン

「シャークス戦では成長しなくてはならない点がありましたが、(きょうはいいスクラムの)回数が増えた。大事なことは1人ではなく8人で組むこと。そうしてどんどん成長できると思います」

――勝つには何が足りなかったか。

リトル

「全てを出し切りました。ボールのバウンドが我々のところにこなかったこともありましたが、ここからはどこを改善できるかを見るしかない。そこに集中します」

ハンセン

「勝つ準備はでき、勝つ位置まで行ったが、最後のところで勝てなかったのはがっかり。風向きが厳しいなか逆転もできたと思いますが、それをやるのに必要なリーダーシップもありました。スマートな賢いラグビーもできた。ただ、いい結果を出せなかったので、ビデオクリップをチームでレビューして改善点を見直したいと思います」

――組織防御が改善されていた。どんな修正を施したか。

ハンセン

「部分的に、アウトサイドでも素晴らしいディフェンスできた。ディフェンスの目的はボールを獲り返すことですが、そのチャンスを何回も作れたのはよかったです。選手がいい幅で立ってフィールドに広がり、相手を止められた。ただ、時々それ(「いい幅」で「フィールドに広がる」こと)がうまくできず、逆にプレッシャーがかかって苦労したこともありました。改善したいです」

リトル

「ディフェンスが今週の課題だったので、うまくできてよかった。そうなった一番の要因は、サポーターの力だと思います。皆のために身体を犠牲にしたいという気持ちもあり、いいディフェンスができたと思います」

――この日、ずっとチームを離れているトニー・ブラウンヘッドコーチがコーチャーズボックスに入っていました。どんなアプローチがありましたか。

ハンセン

「彼はヘッドコーチですが、日本代表へ行っていてあまりこちらには来られなかった。ただ、今日は休みだったのでサポートに来てくれました。何を話したかというと、本当にただサポートをしていただけで。ハーフタイムは(ベンチの)インパクトプレーヤーが試合にどういう影響を与えられるかについて話したくらいです。コーチからメッセージを与えることはほとんどなく、リーダーがほとんど話しています。リーダーが後半にどんなアタック、ディフェンスをするかを話します」

――プレーの一貫性を保つには。

ハンセン

「一貫性を毎週出すにはパフォーマンス全てに一貫性を持たないといけない。ワラターズ戦でどんな影響を与えるかについては1週間、話し合い、攻守ともゲームプラン通りにできたし、スクラムもよかった。スクラムコーチのマーティ・ヴィールが頑張ったおかげです。毎週ベストを尽くすように頑張る。今日は今季初のホームゲームだったので、皆の前で誇りに思えるパフォーマンスを出そうと努力しました。それを続け、毎週ベストを出したいです」

 会見終了時には「サポーターに感謝したいです。ファンもがっかりしていると思いますが、皆のおかげで頑張れました」とハンセン。代表強化を大義に掲げるこの国唯一のプロクラブは、以後、ニュージーランド遠征に出かける。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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