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盗難された小猿がタクシーで戻ってきた!友だちのイグアナと再会、スローテレビで生放送中/ノルウェー

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会役員
盗難された小猿は兄弟猿とイグアナと引き離されたPhoto:Asaki Abumi
イグアナの背中に乗る小猿のシーンが人気だった Photo:Asaki Abumi
イグアナの背中に乗る小猿のシーンが人気だった Photo:Asaki Abumi

ノルウェーの首都オスロにある爬虫類園で、28日に2匹の小猿が盗難される事件が起きた。盗難されたのは、ワタボウシタマリンという種類の小猿。飼育係が出勤したところ、建物のガラス窓が割られており、別々のケージに入れられていた2匹の小猿は見当たらず、残っていた猿たちは恐怖とストレスで怯えていたという。

盗難されたうちの1匹であるハラルド君は、兄弟のトーマス君と2匹で、大きなイグアナと一緒に同じケージで育てられていた。小猿がイグアナの背中に乗ったり、2匹が訪問客に向かって、お尻を向けて排尿する姿は、「可愛い」と好評だった。事件後、トーマス君はいなくなった片割れを探し続けていたという。

警察の捜査は入ったものの、希望を捨てなかった関係者たちは、盗難届けを出さずに、報道機関を通して、「無事に返してほしい」と訴えかけた。

その日の夜、スタッフが爬虫類園に戻ってきたところ、一台のタクシーが待っており、1人の男性がIKEAの大きな袋を手にしていたという。袋の中に入っていたのは、毛並みは悪くなったものの、盗難された2匹だった。

仲間のもとに戻された2匹は、すぐに餌を食べ、我が家への帰還を喜んだ。

スローテレビで猿とイグアナを生放送中

ノルウェーの国営放送局NRKは、「スローテレビ」と呼ばれる、編集なしの映像を何時間も延々と生中継し続ける放送スタイルが有名だが、2匹の小猿とイグアナのケージが現在ネット上で生中継されている。ハラルド君の荒れた毛並みをトーマス君が毛づくろいし、その様子を見つめるイグアナの姿など、見るものを癒すシーンの連続だ。

生中継動画がみれるNRKのサイト「Silkeapene har kommet hjem igjen」

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会役員

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信15年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。ノルウェー国際報道協会 理事会役員。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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