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【オートバイのあれこれ】流麗なZ1デザインと決別。“角”スタイルに生まれ変わった空冷Z!

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「流麗なZ1デザインと決別。“角”スタイルに生まれ変わった空冷Z!」をテーマにお話ししようと思います。

900Super4』(Z1)をリリースして以降、世界のビッグバイク市場をリードする存在となったカワサキ。

▲発売と同時に大人気を博したZ1。3S(スリム・スリーク・セクシー)を意識した滑らかなデザインが特徴だった
▲発売と同時に大人気を博したZ1。3S(スリム・スリーク・セクシー)を意識した滑らかなデザインが特徴だった

Z1はホンダCBをも凌駕するスペックを備え、世界中で売れに売れたわけですが、ライバルメーカーが矢継ぎ早に高性能なオートバイを繰り出してくるなか、次第にカワサキもZ1の名声に甘えてばかりはいられなくなってきます。

言うまでもなくカワサキも年を追うごとにZ1の改良には取り組んでいたものの、Zはモデルチェンジを経ても基本的な部分があまり変化しておらず、世のバイクファンからするとカワサキZはどんどん陳腐化しつつあったのです。

そこで、カワサキは次なる一手を打つことを決意、Zの大胆なイメージチェンジを図ることにします。

その内容は、それまでの曲線デザインとは正反対の、直線基調のシルエットを採用するというもの。

1978年(昭和53年)にデビューした『Z1-R』は、その“デザイン改革”が施された最初のモデルになります。

▲直線デザインが初採用されたZ1-R。「角Z」の歴史はこのモデルから
▲直線デザインが初採用されたZ1-R。「角Z」の歴史はこのモデルから


他に類の無い角ばったデザインは当時のバイクファンを驚かせ、Z1-Rは一躍人気モデルとなりました。

そしてこのZ1-Rが登場した翌年にリリースされたのが、今回ピックアップする『Z1000Mk.Ⅱ』になります。

▲Z1000Mk.Ⅱ。Z1-Rと同じ直線基調だが、燃料タンク等の造形はオリジナルなものとなっている
▲Z1000Mk.Ⅱ。Z1-Rと同じ直線基調だが、燃料タンク等の造形はオリジナルなものとなっている


Z1-Rの角形スタイルを受け継ぎ登場したZ1000Mk.Ⅱも、その個性的な佇まいから人気を博しました。

そのルックスばかりに目が行きがちなZ1000Mk.Ⅱですが、実はエンジン等の機能面にもキッチリと手が入れられています。

主な箇所で言うと、点火方式の変更(ポイント式→トランジスタ式)や新作クランクシャフトの投入、フレームの強化などが挙げられます。

結果的にエンジン出力はZ1000の頃から10psアップするなど、Z1000Mk.Ⅱは中身も着実に進化していたと言えます。

▲外観のみならず、エンジンやフレームといった走りを司る箇所にも手が加えられていた
▲外観のみならず、エンジンやフレームといった走りを司る箇所にも手が加えられていた


さて、最近ではもうあまり聞かなくなりましたが、かつてカワサキ車は「男っぽい」「硬派」などと言われていました。

こういったイメージの起源について正確なことは分からないものの、私個人の推測としては、このZ1000Mk.ⅡやZ1-Rといった「角Z」がそのイメージを育んだのではないかと考えています。

他のメーカーでは見ることのない、あらゆる部分が角ばった「ゴツい」佇まいは、まさしく男性的。

よくヤマハのオートバイが「女性的なデザイン」などというふうに言われますが、Z1000Mk.Ⅱ等の角Zモデルはそれとは対極をなす存在のように思えます。

“硬派カワサキ”のイメージは、ここから始まったのかもしれません。

▲“カワサキ=男っぽい!”といったイメージは、角Zによって醸成されたのかもしれない
▲“カワサキ=男っぽい!”といったイメージは、角Zによって醸成されたのかもしれない

画像引用元:カワサキモータースジャパン

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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