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今日は「空冷Zのラストジェネレーション。GPz400」をテーマにお話ししようと思います。

現在も絶版バイクファンの間で絶大な人気を誇る、カワサキの空冷Z系モデル。

その最終世代となったのが、『GPz』シリーズでした。

GPzシリーズには『GPz1100』を頂点とし、『GPz750』『GPz400』そして『GPz250』がありましたが、今回はそのうちの『GPz400』にフォーカスします。

GPz400は、『Z400GP』の後継モデルとして1983年(昭和58年)にデビュー。

最大の特徴はやはり、そのルックスでしょう。

それまでの空冷Zには無かった流線型デザインのフロントカウルを装備し、このカウルからテールカウル末端までがなめらかに連なる「ストリームライン」が見どころでした。

GPzがこのようなスタイリングとなった背景として、’82年に市販バイクへのカウル装着が合法化されたことが挙げられます。

それまでは法律で規制されていたカウルが解禁されたとあって、各二輪メーカーはこぞって新型車にカウルを取り付けたのです。

GPzのカウルは単なる飾りではなく、エアロダイナミクスが考慮された機能パーツであり、カワサキの航空機製造ノウハウも織り込まれていました。

ちなみに、このGPzシリーズのカウルデザインは後に登場する『GPZ900R』のスタイル構築の参考にもなっています。

エンジンは、’79年デビューの『Z400FX』に端を発する空冷４発ユニットをベースにショートストローク化。

より高回転型となったエンジンは、51psを発揮するまでに進化していました。

Z400FXが43psでしたから、カワサキはわずか５年ほどの間に10ps近くのパフォーマンスアップを達成していたことになります。

当時の開発競争の熾烈さが垣間見える部分かと思います。

その他、前輪を18インチへと小径化するなど、車体各部も前モデルのZ400GPから一新されていました。

GPzはZ400GPから正常進化を果たしていましたが、GPzがデビューする’83年頃はすでに世間のトレンドが水冷エンジン車へと移行しつつあり、GPzは他社の水冷マシンの台頭、また２ストレプリカブームの到来も重なって、ある程度の期間は販売され続けたものの、スポットライトをしっかりと浴びることのないまま現役を退いていきました。

そしてこのGPzシリーズを最後に、カワサキは空冷Z系の血統へピリオドを打つこととなりました。

画像引用元：カワサキモータースジャパン