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【オートバイのあれこれ】「スズキのハスラー?クルマじゃねぇよ!」

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「“スズキのハスラー?クルマじゃねぇよ!”」をテーマにお話ししようと思います。

「スズキのハスラー」と聞いて、思い浮かべるモノは何ですか?

こう問われると、こちらを挙げる人が今ではほとんどかと思います。

▲2014年にデビューした軽自動車・ハスラー。今の世間一般で言う「スズキのハスラー」はコレだろう
▲2014年にデビューした軽自動車・ハスラー。今の世間一般で言う「スズキのハスラー」はコレだろう


ポップなデザインがかわいらしい、軽自動車の『ハスラー』。

街中でもよく見かける、スズキの人気車種ですね。

しかし、ここでピックアップするハスラーはコレではありません。

“バイクのほうの”ハスラーです!

「バイクのハスラーなんてあるの!?」

あるのです(あったのです)。

スズキは、クルマのハスラーを生み出すよりはるか昔、『ハスラー』と名付けたトレールバイク(オフロードバイク)のシリーズを展開していました

1969年(昭和44年)に最初のハスラー『ハスラー250』をリリースして以降、『ハスラー90』や『ハスラー185』などを立て続けに発売。

▲ハスラー250。シリーズ第1作目となる記念すべきハスラーだ
▲ハスラー250。シリーズ第1作目となる記念すべきハスラーだ

そして’72年、シリーズ最大排気量となる『ハスラー400(TS400)をリリースします。

今回は、このハスラー400にスポットを当てることにしましょう。

▲ハスラー400(TS400)。レーサー譲りの技術が注がれたシリーズの旗艦モデルだ
▲ハスラー400(TS400)。レーサー譲りの技術が注がれたシリーズの旗艦モデルだ

ハスラー400は、’71年のモトクロス世界選手権にて世界チャンピオンを獲得したスズキのワークスレーサー『RN71』をベースに開発されて登場。

シリーズ最高峰モデルらしく、スペックの高さが一番のウリでした。

▲モトクロスレースで世界チャンピオンを獲得したRN71
▲モトクロスレースで世界チャンピオンを獲得したRN71

とくにエンジンパフォーマンスが当時としては驚異的で、排気量396ccの空冷2ストローク単気筒エンジンは34psの最高出力をマーク。

’60〜’70年代にかけての時代はまだ、冷却の観点から「2ストで大排気量化は難しい」と言われていましたが、スズキは二輪・四輪問わず2スト専門を貫き、’68年には市販車として史上初の大型2ストマシン『T500』を完成させるなど、2スト開発のノウハウをコツコツ育てていたことから、このハスラーの空冷ビッグ2ストエンジンを作り上げることができたのでした。

▲空冷の2ストロークで400cc級のビッグシングルエンジンを実現したというのは、当時としては画期的だった
▲空冷の2ストロークで400cc級のビッグシングルエンジンを実現したというのは、当時としては画期的だった

ハスラーのエンジンはそのピークパワーに注目が集まりがちですが、実際に走らせると低い回転数からモリモリと豊かなトルクが出てくる特性で、その発進加速の力強さはかなりのものだったようです。

調べてみると、「静止状態からの加速ならホンダのCB750FOURより速い」という評価も少なくなかったみたいですね。

たしかに、ハスラーはオフロードバイクということもあって車重がCBより80kg以上も軽かったですから、加速性や俊敏性はハスラーのほうが一枚上手だったというのは想像に難くありません。

画像引用元:スズキ

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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