GoToトラベルキャンペーンの検索、探し方、利用方法とは?
KNNポール神田です。
普通、このような政府の総予算、1.7兆円の景気対策のキャンペーンは本来、喜ばれるものだったはず…。今回は、かなりハードランディングなスタートとなっているようだ。批判の声はあちらこちらで紛糾しているので、他におまかせするとして…、利用者ユーザー視点でこの『GoToトラベル』キャンペーンを眺めてみたい。
■『GoToキャンペーン』を利用しようとして、検索しても利用方法がでてこない…
ヤフーで検索しても、Googleで検索しても、出てくるのは『GoToキャンペーン』のニュースの記事ばかり…。『GoToキャンペーン』を利用する方法へとはすんなりと、アクセスすることができない。
■諸悪の根源はPDF書類だらけの主催省庁のウェブサイト
赤羽国交省大臣がテレビでGoToトラベルキャンペーンの答弁しているので、『国土交通省』のサイトにいってもどこにもトップページには『GoToトラベル』の文字すら見当たらない…。ようやく発見できたのが、『国土交通省観光庁』のサイトの中の『Go To トラベル事業関連情報』
https://www.mlit.go.jp/kankocho/page01_000637.html
しかし、ここでは事業を説明する文書、しかもPDFだらけで、いちいちクリックしなければ確認できない。しかも、スマートフォンで確認しようとするとPDFの読み込みに時間がかかり、読み込めたとしても、文字や絵が小さくて、ほとんど読めたものでもない…。
閲覧利用者はスマートフォンが半数を占めると考えた場合のPDFではない見せ方も考慮すべきだ。
Go To トラベル事業
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001351403.pdf
省庁で大切なのは、事業者向けだけではなく、利用者ユーザーである国民への利用方法や利用できる旅行代理店のまとめページなのではないだろうか?今回、対象外である東京都民に対しての説明責任もあるだろう。
また、表紙においては、『(2020年)7月22日時点版』と赤字で書かれ、但し書きでは
『※本資料の内容は、今後の感染状況や、感染症の専門家のご意見、政府の全体方針等を踏まえて変更することがあります。』といつでも内容が変更されることを前提としている。どこの省庁が責任をもってやっているのかが見えにくい。
■(2020年)令和2年7月22日(水)の開始時期はわかった!だけどどうやって利用する?
しかし、本日利用できるのは…『予約だけ』、来週からの『販売開始』…。しかも『準備が整った事業者から』。
□『海の日を含む7月4連休の前日の7月22日以降に開始する旅行代金の割引を先行的に開始』
□『(2020年)7月27日(月)以降、旅行業者、予約サイト、宿の直販予約システム等において、準備が整った事業者から、割引価格での旅行の販売を実施』とある。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001351403.pdf
■非常にめんどうくさい旅行後からの『旅行者から事務局への申請』と『感染拡大防止に当たっての参加条件』『新しい旅のエチケット』などなど
※宿泊業者に直接支払った場合は…
4つの書類を郵送またはオンラインで提出
・申請書(様式は事務局ホームページ・宿泊施設等で入手)
・支払内訳がわかる書類(支払内訳書、支払内訳が記載された領収書等)
・宿泊証明書(宿泊時に宿泊施設から入手)
・個人情報同意書(様式は事務局ホームページ・宿泊施設等で入手)
その後、口座振込、クレジットカード振込となる。
さらに、『参加条件』と『新しい旅のマナー』が必須だ。
■国内大手の『JTB』によると…『補助額の7割相当額の旅行代金割引』しかし、詳細は観光庁への『サイト回し』
コロナ禍の中で、ようやく政府が動き出した『GoToトラベルキャンペーン』だが、民間の大手旅行代理店でさえもこんな状況だ。
□2020年7月22日(水)以降の出発が対象
□「地域共通クーポン」がご利用いただけるキャンペーンは9月1日(火)以降開始
□対象外となるもの
東京発 及び 東京着(東京での入場・下車観光、食事の含まれる)の旅行
※旅行の申込み時、宿泊施設へのチェックイン時等に、住所が証明できる書類(運転免許証等)の提示を求めること等
https://www.jtb.co.jp/kokunai/goto/
このページ以降は通常の国内旅行のサイトへ案内される
https://www.jtb.co.jp/kokunai_hotel/
JTBのサイトでも、詳細については…。観光庁のサイトへとたらい回しならぬ『サイト回し』にされてしまう…。それもそのはずだ、観光庁も、決めていないまま走りながら考えているからだ。旅行関連事業者も責任がもてないというかわからないからだろう…。
■HISのサイトもおなじく…観光庁への『サイト回し』。『最大35%割引』のみ明記
『補助額の7割相当額の旅行代金割引』をHISでは、『最大35%割引』とわかりやすく表記している。そう、旅行先での出費も含めての最大半額補助なので、旅行の『移動と宿泊』の代金は7割の半額だから『最大35%割引』でわかりやすい。しかし、詳細については、おなじく観光庁の『GoToトラベル』事業のPDFへと『サイト回し』されてしまう。
■楽天トラベル
https://travel.rakuten.co.jp/special/goto/
…とある。苦肉の策は、『実施における詳細条件は日々変わっております。』の一言だ。
■必ず混乱するであろう旅行後のクーポンの処理
容易に想定できるのは、旅行後の3割にあたる15%の旅先での出費のクーポンの存在だ。JTBでは9月1日分から。HISでは記載なし。楽天トラベルでは、詳細条件は今後発表されますと、各社観光庁の同じリリースをソースとしながらも、捉え方はさまざまだ。
事業者でも捉え方に温度差がある情報なので、利用する東京都民以外の人にとっては、奇々怪々なGoToトラベル予約事情と映ることだろう。
1人10万円の『特別定額給付』でも政府の考えた絵に書いた餅の『マイナンバーカード利用』は各自治体の現場に大混乱を起し、結果として、オンライン受付が不可能となった。
今回も、安易に政府の考えた『GoToトラベルキャンペーン』も、もう少し、丁寧に、最後まで責任を持ったコピーライティングが必要だったのではないだろうか?
つまり、事業を発表し、自治体や旅行代理店にまかせるのではなく、自治体や旅行代理店側がコピペしてそのまま使えるような、コピーライティングまで用意してスタートさせるべきだ。
具体的な運用レベルのコピーライティングを考慮していないから、現実味のある『予約キャンセル料』の発生のような予期できるようなことが予期できないのである。
政府はまず、いろんな忖度をする前に、せっかくの税金を大判振る舞いするんだから、最大限国民に感謝され、この与党に投票してよかったと思えるような使い方をするべきだ。そのためには、実際にサービスを運用する人たちの気持ちに一番、よりそった形での相談を密にする必要がある。
政府に必要な三密とは、『業界に相談』『業界のアドバイスを聞く』『業界とPDCAをまわす』事だろう。
GoToキャンペーンは、これからも『GoToトラブル』で終わらず、『GoToイート農林水産省2003億円』『GoToイベント経済産業省』『GoTo商店街中小企業庁』とまだまだ続くのだから…。