開幕15試合で13勝2敗。マリナーズのポストシーズン進出は確率100%!?
4月11日、シアトル・マリナーズは7対6で勝利を収め、シーズンの勝敗を13勝2敗とした。1901年以降、開幕からの15試合で13勝以上を挙げたのは、今シーズンのマリナーズが17チーム目だ。
過去の16チームを振り返ると、ポストシーズン進出の割合は高くない。ポストシーズンがなかった年の2チーム、1902年のピッツバーグ・パイレーツと1994年のアトランタ・ブレーブスを除く14チーム中、ポストシーズンに進出したのは8チーム。その割合は57.1%(8/14)に過ぎない。ワールドシリーズは1903年に始まり、1994年はストライキによってシーズンが途中で打ち切られ、ポストシーズンもなかった。
ただ、地区制が施行された1969年以降は、そのほとんどがポストシーズンへ進んでいる。1994年のブレーブス以外の7チーム中、ポストシーズンを逃したのは、1987年のミルウォーキー・ブルワーズだけだ。ブルワーズにしても、順位は地区3位ながら、勝率はア・リーグで3番目に高かった(ブルワーズは1998年からナ・リーグへ移った)。当時は2地区制だったため、単純に比較はできないが、今日であればワイルドカードに相当する。
こうした前例からすると、昨シーズンのボストン・レッドソックスに続き、今シーズンのマリナーズもポストシーズンにたどり着くことができそうに思える。けれども、そう断じるのはまだ早いだろう。現在、「最もポストシーズンから遠ざかるチーム」であるマリナーズ――最後の進出は18年前の2001年だ――にかかるプレッシャーは別にしても、昨シーズンのロサンゼルス・エンジェルスやニューヨーク・メッツのような例もある。両チームは最初の15試合を12勝3敗で終えたが、シーズン全体では負け越した。
ここまでのマリナーズは、打線の力で勝ち進んでいる。スラッシュライン(打率/出塁率/長打率)の.295/.370/.565はいずれもリーグ・ベスト。161安打、71長打、36本塁打、31二塁打、61四球に加え、11犠飛と17盗塁も1位だ(139三振も最多)。1試合平均7.80得点は、他の14チームを2点以上も引き離す。4月11日には、開幕から15試合連続ホームランのメジャーリーグ新記録も打ち立てた。それに対し、先発投手陣の防御率はリーグ7位の3.94、ブルペンは9位の4.04だ。15試合中9試合は5点以上を失い、3失点以下は4試合しかない。守備も堅守とは程遠い。
4月12日から、マリナーズは本拠地にヒューストン・アストロズとクリーブランド・インディアンズを迎え、3試合ずつを行う。マリナーズの打者たちは、その6試合の半分で、昨シーズンのサイ・ヤング賞投票6位以内の3人、アストロズのジャスティン・バーランダー(2位)とゲリット・コール(5位)、インディアンズのトレバー・バウアー(6位タイ)と対戦する可能性が高い(インディアンズには3位のコリー・クルーバーもいるが、このカードでは登板しない)。また、アストロズは地区2連覇、インディアンズは3連覇中で、今シーズンもそれぞれ、マリナーズに次ぐア・リーグ西地区2位(8勝5敗)とア・リーグ中地区の首位(8勝4敗)にいる。この2カードは、マリナーズの力が試される、最初の関門となりそうだ。