一風変わった劇場型ラーメン店の世界観を福岡から発信《創業20年を超えても色褪せない圧倒的個性の一杯》
表現の難しい一風変わった個性的な「玄瑛流」
福岡県福岡市中央区の薬院。閑静な住宅地という印象がある中で、隠れ家的なお店も含め多くの飲食店があるという立地。そんな食住が混在した街の一角に存在するのが、2003年の創業で、今年22年目を迎える〈麺劇場 玄瑛〉。開業以来、揺るぎのない世界観と存在感を持続しているラーメン専門店。2014年にはミシュランを獲得。昨年は食べログの「ラーメンWEST百名店」にも初選出されるなど、色褪せることなく異彩を放ち続ける福岡を代表する個性的な人気店である。
劇場の観覧席のように広がる桟敷席の個性
この日、訪れたのは正月3日。お昼ちょっと過ぎた時間帯で、開店の目印になる店先の「開演」の木札が出ているのを確認し、重厚な扉をスライドさせて劇場内へ進む。
※ちなみに準備中や営業時間外の場合は「終演」となっている。
劇場内の表舞台の袖まで進むと桟敷席が見渡せ、かなりの混在がうかがえ、お昼のピークタイムということを改めて確認。一段目の2名席は満席、二段目の3名席も満席、最上段の4人掛けのテーブル席の一つが空いている状況で、連れと二人だったこともあり、最上段に案内され、腰を下ろした。
舞台側から見渡す「桟敷席」の構成は、中央の通路を挟んで左右対称の作りですり鉢上に広がる。一段目は2名席が二つ、二段目は3名席が二つ、最上段の三段目が4人掛けのテーブル席が二つ。
すべての桟敷席から、中央にある「舞台」となる厨房が見渡せる作りとなっていて、まさに麺劇場型の店内構成になっている。
醬の旨みが溢れ出す豚骨出汁の効いた一杯
今回、どれも美味しさや個性があり、甲乙つけがたい4種類あるレギュラー「演目(=メニュー)」の中はから注文したのは、日頃から一番選択している「玄瑛流 拉麺」。演目に記載されている通り「常連人気NO.1」の逸品になる。
そして、丁寧かつ美しいラーメン作りの所作を観覧しながら、待つことしばし。配膳された一杯は、福岡・博多らしい「とんこつラーメン」のカテゴリーながら、それを超越した唯一無二の一杯。
とんこつというよりも豚肉の出汁と香味野菜で煮込んだ濃厚なスープに、香り豊かな焦がしニンニク(マー油)と〈玄瑛〉自慢の醤油ダレとなる「醬」を効かせた個性溢れる一杯。
さらに自家製のややちぢれのある細麺も、モッチリとした食感が独特でスープとの相性も抜群。毎回思うところだけど、ここでしか味わえない逸品に仕上がっているので、初めて来店される方には、とてもおすすめしたいひと品。ごちそうさまでした。
余談になるが連れが注文したのは、圧倒的な人気No.1の「玄瑛流 担々麺」と「炙り豚バラご飯」を選択。前回食べた時の記録では、自家製ラー油の個性的な色味と横に添えられた温泉卵の存在感が際立つ独特の見た目。そこに自家製ねり胡麻も加わることで、まろやかな旨辛さが絶妙に交わる絶品の担々麺へと昇華。複雑な旨みを醸し出す逸品。少しお裾分けしてもらった「炙り豚バラご飯」は、ワイン熟成豚の炙られた香ばしさが芳香な味わいに仕上がっていた。
麺劇場 玄瑛
住所 :福岡県福岡市中央区薬院2-16-3[地図]
営業時間:11時30分~14時30分(月曜)
:11時30分〜14時30分 18時00分〜21時00分(水・木)
:11時30分〜14時30分 18時00分〜22時00分(金・土)
:11時30分〜16時00分 18時00分〜21時00分(日・祝)
定休日 :月曜夜・火曜(祝日の場合は営業し翌日に振替)
駐車場 :専用駐車場なし
要確認 :麺劇場 玄瑛(※公式インスタグラム)