「投票率と天気」に思う
2013年7月21日は参議院議員通常選挙の投票日です。投票日が近づくと、新聞各紙には当日の天気と投票率についての記事が載ります。昨年末、師走に行われた衆議院議員選挙のときは、「あす投票日、空模様は・・・「快晴・雨」なら投票率低く(2012年12月15日付 日本経済新聞)」とありました。
一般に、天気が良いときは行楽へ、雨などの悪天候では出かけるのがおっくうになるため、投票率が低くなり、一方で、雨のちくもりのような空模様では、行楽や買い物には行かず、雨の止んだ午後に投票に行く人が増えるとされています。そのため、投票日の天気は投票行動に影響があるといわれるのです。
また、2007年7月29日の平成19年参議院議員通常選挙ではある天気のため、投票率が激減した時間帯がありました。東京都板橋区の時間別の投票者数とみてみましょう。
午後2時から3時ごろに投票者数が少なくなっているのがわかります。ちょうどそのころ、東京都心では激しい雷雨があり、投票所に向かおうとした人が、激しい雷で出かけるのをためらったのでしょう。
たしかに、投票日の天気が投票行動に影響する場合もあるでしょう。でも、過去の投票率をみると、当時の争点や時代背景の方が影響が大きく、期日前投票ができるようになっては、当日の天気に左右される可能性が小さくなっています。それなのに、投票日前日にはきまって、投票率と天気についての記事が掲載されるのは腑に落ちない感じがします。
日本で初めての選挙が行われたのは明治23年(1890年)です。当時、投票ができたのは直接国税を15円以上おさめている25歳以上の男子に限られたため、国民の1%しか投票ができませんでした。そして、女性に選挙権が与えられたのは昭和20年(1945年)です。現在のように20歳になれば、自動的に選挙権を持つようになってから、60年あまりが過ぎました。
今のところ、7月21日(日)の東京の天気はくもりがちで、猛暑も一服する見込みです。投票率が高くなると期待される天気なのかもしれませんが、私は天気に左右されない、真の選挙が行われる日が来ることを願っています。