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交際相手が愛猫を殴り殺した疑い...同居する前にチェックできることは?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
エキゾチックショートヘアのイメージ写真(写真:アフロ)

朝日新聞によりますと、同居女性の飼い猫を殴り殺したなどとして、大阪府警は10月5日、同府泉佐野市の大学生の男(21)を動物愛護法違反(殺傷)の疑いで書類送検しました。猫を殴り殺した男は「就職活動の失敗でイライラし、殴り飛ばした」と容疑を認めているという。

家族の一員である愛猫や愛犬を交際相手から危害を受けないためにどうすればいいかを考えてみましょう。

同居女性の飼い猫を殴って殺した疑い

ラグドールのイメージ写真
ラグドールのイメージ写真写真:アフロ

殴り殺された猫のことを思うと胸が詰まって、読み進めることがつらい事件でした。ちょっと詳しく見ていきましょう。

21歳の男が、1月14日に交際相手が飼っていた生後約半年のエキゾチックショートヘアの頭を殴り、その約3週間後にこの子は亡くなっています。

その後、4月27日にも自宅で生後約3カ月のラグドールの胸を殴って殺した疑いがあるといいます。

男は、バイトが忙しくて寝不足になりイライラしたときに、猫が鳴くのが気にいらなく殴ったということを認めています。そのうえ「猫は交際相手が好きだから、飼っており自分は犬派だ」とも供述しています。

獣医師の目から見れば、猫が鳴いていたのは、お腹が空いたか、亡くなったエキゾチックショートヘアとラグドールはまだ幼いので、不妊去勢手術をしていなかったので、発情で鳴いていたのかもしれません。猫が鳴くことは、猫の当然な生理現象です。

MBSNEWSでは、男は猫と犬を計6匹飼っていましたが、去年9月からの半年の間に4匹が死んでいて、他の2匹の死因は分からないということです。

家族の一員として飼っていた愛猫が、殴り殺されたら、いても立っていられないのではないでしょうか。

亡くなった猫や犬は帰ってこない

もちろん、このように猫を殴ったりする行為は、虐待行為であり動物愛護法に違反します。あってはならないことです。

自分で猫や犬を虐待しなくても、交際相手が、危害を加えることがあるかもしれないのです。

多くのケースは、誰もいないときに、誰も見てないときに、猫や犬を虐待することが多いのです。

交際相手が、そんなことをするとは思いたくないでしょう。そのときは、恋愛感情があるので、余計に本当のことを冷静に判断できなくなっています。

猫や犬の命がかかっているので、いざ同居したときに、気がつくより事前にわかっていた方がいいです。もしものことがあれば、猫や犬は帰ってこないですから。

交際相手が動物好きかどうかチェックする方法

ネコカフェのイメージ写真
ネコカフェのイメージ写真写真:アフロ

自分が好きな相手から「犬好き?」「猫好き?」と尋ねられると、「うん」と言ってしまう人が多いと思います。それを信じて、同居をし、このような事件が起きてしまっては悲劇です。

人間は、多面性を持っているので、それを見極めるのは難しいので、動物の力を借り見るということもできます。

「ネコカフェ」「ドッグカフェ」に行ってみる

いまやネコカフェやドッグカフェなどは、多くあります。猫を飼っている人はネコカフェへ、犬を飼っている人はドッグカフェに行きましょう。(動物アレルギーがある相手なら、このような場合は行くことはやめましょう。)

ネコカフェやドッグカフェに行くと多くの人の目があるので、交際相手がなにかをしたときも他の人も見れくれるので、安心です。

この事件のように、犬が好きでも猫が苦手という人もいますし、もちろん、その反対の人もいます。

「ネコカフェ」「ドッグカフェ」に誘ってみる

あまり関心を示さない場合は、あまり猫や犬には興味がないのかもしれません。

「ネコカフェ」「ドッグカフェ」に行ったときに、猫や犬の扱い方はどうか

猫や犬を乱暴に扱う場合は、よくないですね。

「ネコカフェ」「ドッグカフェ」に行ったときに、猫や犬の様子はどうか

理想は、交際相手のところに猫や犬が寄ってくることです。しかし、いままで猫や犬を飼ったことがない人のところには、寄っていかないことがあります。猫や犬が寄り付かないからダメというわけではありません。

上記のことを確認して、心に引っかかるものがなかったら、次のステージに行きましょう。

愛猫、愛犬を交際相手に会わせてみる

上のステップを踏んで、愛猫や愛犬を実際に交際相手に会わせてみましょう。

猫の場合

猫の場合は、犬より人になつくことがないので、いきなり交際相手を見て、スリスリすることは少ないと思います。普段通りにしていると、それで大丈夫です。無理に抱っこさせるなどは、しないようにしてくださいね。

長時間いると、猫もだんだんとなつくようになると思います。

猫についてあまり理解がない交際相手なら、無理に触ろうとしますが、それはやめておきましょう。お互い同じ空間にいるのなら、それで大丈夫です。

犬の場合

犬は猫と違って縄ばり意識が強いので、知らない人は入ってくれば鳴いて怒る場合もあります。そのとき、交際相手はどうするかを見ておきましょう。やっきになって、激情する場合は、相性がよくないかもしれません。

トリーツ(おやつ)を交際相手に渡して、犬に食べさせてもらいましょう。そのようにして、仲良くしてもらうのもいいかもしれません。

■愛猫、愛犬と一緒に、交際相手と同居をどうするか?

交際相手の同居は、自分の考えだけではなく、愛猫や愛犬の反応はどうだったかをよく見てからにしましょう。

たとえば、同居していない場合、交際相手が来た後、愛猫や愛犬が下痢をする、食欲が落ちる、元気がないなどがあれば、よく考えた方がいいですね。

まとめ

イメージ写真
イメージ写真写真:イメージマート

交際相手が動物に対して、理解があるとは限りません。

交際相手と同居するということは、いままでとは違った環境の人と一緒に暮らすことなのです。幼いときから、猫や犬を飼ったことがある人ならいいのですが、そうじゃないと猫や犬をどう扱っていいかわからないのです。

自分の交際相手に、動物のかわいさや優しさなどをしっかり伝えてあげてください。「どこを触れて喜ぶか」「ご飯のあげ方」「抱っこが好きか」「触り方」などをこまかく教えてください。

そして、交際相手と猫や犬だけになって、帰宅したときに、猫や犬がおびえていないか、食事はいつも通り食べているか、下痢はしていないかをちゃんとチェックしてくださいね。

恋愛感情を持っている相手が、愛猫や愛犬を虐待しているとは考たくないです。しかし、愛猫や愛犬の健康や命を守ることができるのは飼い主だけです。俯瞰的に冷静に判断して、楽しい猫と犬との生活を送ってほしいです。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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