「卒業」って自分で言うな。脱退したAKB48メンバーに出戻り制度を用意すべし
●今朝の100円ニュース:大島優子「絆は永遠です」(中日スポーツ)
「ダンス、トーク、ルックス……。すべてにおいて高水準。コンサートで間近に見たときはダンスの振りがとてもなく大きいので竜巻が通り過ぎたのかと思ったよ。スポーツで言えばオールラウンダー。ベタかもしれないけれど、オレはやっぱり大島優子が好きなんだ!」
10年来の仕事仲間(38歳男性)が鼻息を荒くしながら語っていたのを思い出す。彼は今でも大島優子ファンなのだろうか。
サッカー好きでもある彼は、「AKB48はサッカーチームに似ている」と指摘していた。それぞれに得意技を持ち、ポジション争いをしながらも協力して戦っているところが似ているのだろう。
彼はファンというより監督のようにメンバーを批評しつつ応援している。分析や戦いの要素があるところが男心を刺激しているのだと思う。ちなみに彼は、サッカーでもオールラウンダーが好きらしい。
一人きりでサッカーはできないのと同じように、チームや会社の一員であるからこそ個性が輝くタイプの人はいると思う。もちろん、どんなチームでも能力を発揮できる人は少なく、運と努力によって相性の良いチームを見つけることが求められる。職業人としての人生を捧げるに値するチームを見つけるのだ。
転職や独立をするとき、それまで所属していた組織を「卒業」したと宣言するのは間違っている。卒業という言葉には、「この小さな場所で学ぶべきことはすでに学び終えた。成長した自分が留まるのはふさわしくない」という不遜なニュアンスがある。卒業された組織に残る人は妙な気分になるだろう。子どもが通う学校じゃないんだから……。組織を辞めるときは、「脱退」「離反」「落第」といった言葉を自らは使うべきだ。
以前、NHKのインタビュー番組に俳優の阿部サダヲが出演していた。劇団「大人計画」の演劇以外にも、テレビや映画で大活躍をしている。彼が大人計画の一員であることを知らない人もいるかもしれない。しかし、本人は「絶対に辞めない。もし松尾さんが解散すると言っても、僕一人で大人計画を続ける」といった趣旨のことを話していた。
入団するとき、主宰者の松尾スズキは阿部サダヲを「黒光りしている(ような魅力がある)」と評したという。こんな表現で個性を認めてくれる劇団は他にない。その一員であり続けることで、俳優としての自分が生かされていることを阿部サダヲは経験的に感じているのだと思う。
今朝の中日スポーツによれば、大島優子は16日、最後の全国握手会において次のように語ったという。
「卒業してもみんなと関わっていきたいと思っていますので、これが最後じゃないです。つながりは減っても、絆は永遠です」
絆は永遠かもしれないが、AKB48を去ってしまったことは確かである。相性の良いチームがなければオールラウンダーとして活躍しようがない。リクルートなどの企業と同じように、AKB48にも出戻りOK制度を導入したらどうだろうか。