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Jリーグ序盤戦に衝撃を与える5人(J1編)

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

Jリーグは第2節を終えました。これまでの特別なインパクトを与えた選手をピックアップしました。まずはJ1編です。

鈴木唯人(清水エスパルス)

ここまで2試合で2ゴールという結果もさることながら、2つともがゴラッソ。原輝綺の右後方からのパスに抜け出して、ワイドな位置からGKを破った札幌戦、カウンターから神谷優太のパスに反応して、GKとの1対1で冷静に仕留めた磐田戦とインパクト十分だった。

オフの日本代表合宿で自信を付けて戻って来たという鈴木唯人は二つのゴールだけでなく、縦の推進力と確かな狙いを融合して、開幕2試合で最も衝撃を与えた選手の一人と言える。

「自分はやれるんだという年にしたい」と語っており、この活躍を続けていけば、清水の躍進はもちろん、フルメンバーでの日本代表入りも見えてくるかもしれない。

古賀太陽(柏レイソル)

攻撃面では日替わりヒーローがー生まれる形で2連勝している柏だが、ディフェンスで心強い支えになっているのがセンターバックの古賀だ。ラインをコントロールしながら相手のアタッカーを封じ、良質なビルドアップで、後ろからチームを盛り立てている。

シュートのこぼれ球をアンデルソン・ロペスに押し込まれたシーンはあったものの、古賀の獅子奮迅の活躍抜きに連勝スタートは語れない。昨年は惜しくも東京五輪の本大会を逃したが、さらに存在感を増す年になるのは間違いなさそうだ。

上福元直人(京都サンガ)

これまで在籍したクラブのファンサポーターからはしばしば”神福元”と呼ばれて来た。新天地の京都でも神が宿るようなビッグセーブで、昇格組の京都の健闘を支えている。

15本の枠内シュートを打たれて1失点というセービングもさることながら、ライン裏のカバーリング、的確なパスやフィードなど、攻守両面を引き上げる存在でもあり、今後も安定した働きが予想される。言い換えれば、昨シーズン京都のJ1昇格を支えた22歳の若原智哉の奮起にも期待だ。

知念慶(川崎フロンターレ)

注目を集めた鹿島戦はセンターフォワードのポジションで、開始2分に相手のビルドアップからボールを奪って左足でズドン。4ー2で敗れた横浜F・マリノスとの試合では家長と山根が作ったチャンスに左サイドから合わせる形でゴールしている。

昨年から左ウイングで存在感を高めていたが、本来のセンターフォワードでも結果を残したことで、レアンドロ・ダミアンに頼りがちだった前線を活性化する存在になって行きそうだ。

岩崎悠人(サガン鳥栖)

2引き分けとなっている鳥栖だが、主力が大量に移籍した後に来た中で、期待の新加入選手だけでなく、もともと在籍していた選手たちの奮起が目立っている。特に昨年の途中から加入した岩崎は左ウイングバックでリーグ戦2試合フル出場を果たしている。

湘南戦では高い位置から折り返しのパスでゴールの起点に。ここまでハイプレスと流動的な攻撃で相手を繰り出す鳥栖は2試合ともに走行距離がリーグ1位。その中でも抜群の走力と活動量を誇る岩崎は精力的な上下動だけでなく、多彩な形で攻守両面に関わっているのが印象的だ。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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