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「私が、不幸で人生がうまくいっていないのは、私が『まむし指』『しゃもじ指』だからだ!」と訴える人。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)
こんにちは。精神医学と性格心理学に詳しい心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

私は、心理臨床家です。ときには、本を書いたり、セミナーや講演の仕事をすることもありますが、あくまでも私の本職は心理臨床であり、休みの日以外は、ほぼ毎日カウンセリングをしています。

さて、そんな私ですが、私のカウンセリングルームには、よく、「私は、〇〇だから不幸だ。私は○○だから、私の人生はうまくいっていない」と訴える人が訪れます。

この〇〇には、「レズビアン」「ゲイ」「バイセクシュアル」「トランスジェンダー」という言葉が入ることもありますし、「目が一重だ」「鼻が低い」「耳が大きい」「唇がぶ厚い」「背が低い」「足が短い」「太りすぎ」「肌が汚い」などの言葉が入ることもありますし、「アダルトチャイルド」「愛着障害」「HSP」「アスペルガー」「知的障害」「ADHD」などの言葉が入ることもあります。

私(竹内成彦)は、そんなクライアントに対し、ときおり、自分の「まむし指」を見せて、「この変な指の形のせいで、子ども時代、どのくらい揶揄されたり、イジメられたりしたか」そして、大人になってからも、「珍しがられたり、『その指、どうしたんですか?』と不思議がられたりしたか」話すことがあるのですが、共感を得られることは、まずないです。

クライアントは皆、自分の悩みで一生懸命で、「竹内先生は、まだマシだ。そんなの大したことじゃない」と、私が何十年と悩み続けていることを、軽く一蹴するのです。私は正直、「なんて共感力が低い人なんだ」と、一瞬だけ思います。

私は、そういう、「私は、〇〇だから不幸だ。私は○○だから、私の人生はうまくいっていない」と訴える人に対しては、ゆっくりと話を聴き、深い共感的理解を示し、静かな口調で「○○でも、幸せに生きていっている人はいますし、○○でも人生がうまくいっている人もいますよ」と、具体的な例をあげて説明・助言をすることがあるのですが、それをクライアントが受け入れてくれることは、ほぼないです。

皆さん、「ああ、このカウンセラーも、私の悩みを解決できなかった、有効なアドバイスをくれなかった。やっぱり私の悩みは、深くて大きいんだ。プロである専門家でさえも、私の悩みを解決できないのだから、凡人の私には、どうしようもないことなんだ」と、自分自身を哀れみ可哀そうがり、行動しない言い訳を強固にさせることに成功します。

「私は、○○だから、どうしようもないんだ」と言い続けている限り、「私は、〇〇だから、仕方がないんだ」と嘆いている限り、その人が自分の持つ苦悩から脱することは出来ないと思います。

けれど、その人は、その言い訳をしている限り、自分が行動しないで済むわけですから、ある意味、楽チンだろうなぁとも思います。そう、〇○のせいにしていれば、幸せになる努力をしなくて済むわけですからね。

私は、「私は、〇〇だから、人間関係も、仕事も、趣味も、うまくいっていない」「私は、〇〇だから、お金にも友だちにも恋人にも恵まれないし、将来きっと、恋愛も結婚も出来ないだろう」と言っている限り、その人は、その悩みから解放されることはないと思います。そう、「そのクライアントが、悩みの渦から離れることはないでしょう」ということです。

何故なら、悩みの真の原因として自分で考えている〇〇を、本人自身が硬く握って、決して手放そうとしないわけですから…。

私は、クライアントにとって〇〇は、邪魔なものでもあると共に、自分の身を守る大切なものでもあるのだろうなあ…としみじみ思います。

ちなみに、私の「まむし指」は、強烈です。立派な大人になった今も、「どうしたの、その指。突き指したの?」と目を丸くして驚かれることがあります。両手で自分の名刺を持った姿勢で、名刺交換する度に、今も恥ずかしい思いにかられます。

「まむし指」は、「しゃもじ指」とも呼ばれます。そう、この横幅がデカい指は、まむしにもしゃもじにも似ていますからね。それにしても、人の指を指して、「しゃもじ」っていう言い方はないだろう? 失敬じゃないか? と私は思う次第です。

まむし指は、1万人に1人いるようです。私は、63年生きていますが、私と同じようなまむし指を持っている人を、我が生涯、1度しか見たことがありません。

私は、強烈なまむし指の持ち主ですが、まずまず幸せですし、人生まぁまぁうまくいっています。

私だって、今まで、言おうと思えば幾らでも、「私が不幸なのは、私がまむし指だからだ。私の人生がうまくいっていないのは、私がまむし指だからだ」と言えたはずです。

そう私は、自分が困難にぶち当たった時でも、その理由をまむし指のせいにはしなかった…というわけです。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。

心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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