「隠れ首位打者」だったシーガーが打率リーグ1位に躍り出る。出塁率とOPSは大谷翔平と僅差の2位
9月1日、コリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)は、打席に4度立った。シーズン全体の打席数は415となり、現時点の規定打席に到達した。
レンジャーズは、この日が134試合目だった。現時点の規定打席は、134試合×3.1=415.4。ちょうど415打席だ。
これまでランキングの対象外だったシーガーは、ア・リーグの打率1位に躍り出た。打率.345は、ヤンディ・ディアズ(タンパベイ・レイズ)の打率を21ポイント上回る(.001=1ポイントとして表記)。このまま、首位打者を獲得する可能性は低くない。
9月1日時点のア・リーグ打率トップ10は、以下のとおり。
打率と違い、トップではないものの、シーガーの出塁率.410とOPS1.064は、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に次ぐ2位に位置する。それぞれの差は、1ポイントと8ポイントだ。レギュラーシーズンが終わった時、シーガーがトップにいてもおかしくない。
シーガーは、ブレイク中ではなく、実績のある選手だ。9シーズン(2015~23年)のトータルで、打率.293と出塁率.363、OPS.874を記録し、163本のホームランと223本の二塁打を打っている。今シーズンは、10年3億2500万ドルの契約2年目。現在の年齢は、大谷と同じ29歳だ。
ちなみに、長打率とISOのトップ2も大谷とシーガーだが、長打率が6ポイントしか違わない(.661と.655)のに対し、ISOは44ポイントの差(.354と.310)がある。長打率の計算式は「塁打÷打数」、ISOは「長打率-打率」だ。すべてシングル・ヒットで10打数10安打の場合、長打率は1.000、ISOは.000となる。
もっとも、シーガーの出塁率やOPSが大谷を上回ったとしても、大谷のMVP受賞に影響はないだろう。シーガーは、遊撃の守備もいいとはいえ、故障者リストに2度入り、40試合以上に欠場している。
なお、シーズン全体の規定打席――162試合の場合は502打席――に届かなくても、リーグ1位にはなれる。例えば、492打席でシーズンを終えた場合、不足分の10打席を10打数0安打として加え、計算した数値が他の選手を凌げば、その選手が1位だ。