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メジャーリーグにも「小技」あり。スクイズ・バントでサヨナラ勝ち

宇根夏樹ベースボール・ライター
フレディ・ファミーン(カンザスシティ・ロイヤルズ)May 11, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月11日、カンザスシティ・ロイヤルズは、4対3でシカゴ・ホワイトソックスを破った。3対3の9回裏、1死一、三塁の場面から、フレディ・ファミーンが初球をバント。マウンドから走ってきたレイナルド・ロペスは、素手でボールを掴もうとしたが、拾い上げることができず、三塁走者のニック・プラトゥがホームを駆け抜けた。タイミングからすると、ロペスがボールを拾い、捕手のセビー・ザバラにうまくトスしていても、アウトにはできなかっただろう。

 スクイズによるサヨナラ勝ちは、珍しいとはいえ、それほど久しぶりのことではない。昨年9月6日に、マグネウリス・シエラ(当時ロサンゼルス・エンジェルス/現アトランタ・ブレーブス)が成功させている。ファミーンのサヨナラ・スクイズは、おそらく、それ以来だと思われる。

 ちなみに、先月11日には、マイケル・A・テイラー(ミネソタ・ツインズ)のバントがサヨナラ勝ちの得点を生んだが、これはスクイズ・バントではなく、送りバントだ。二塁にいた走者が、バントを捕球した三塁手の悪送球によって生還した。

 ファミーンとシエラにはヒットと打点が記録されたが、テイラーはヒットだけ。バントで打点は挙げていない。この試合は、1打席目にホームランを打ち、1打点を記録した。

 また、サヨナラ勝ちではないものの、オースティン・ノラ(サンディエゴ・パドレス)は、今月に入り、2試合続けてスクイズ・バントを決めた。9日の場面は、同点の7回表、無死一、三塁。10日は、こちらも同点の10回表、1死三塁だった。それぞれ、一塁側と三塁側に転がした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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