菊池雄星、大谷翔平の母校に新たな記念モニュメント
メジャーリーガーを輩出する岩手県の花巻東高には、そのモニュメントを一目見ようと多くの人々が集い、多い日には300人以上が訪れる日もあるのだという。同校の野球部グラウンドのバックネット裏にある“一つ目”のモニュメントは、2022年4月に建てられたものだ。当時はシアトル・マリナーズに所属した菊池雄星、同じくロサンゼルス・エンゼルスでプレーした大谷翔平、その花巻東高出身の2人がメジャーリーグのオールスターゲームにそろって選出された快挙を記念して建てられた。刻印された2人の手形に自らの手を重ね合わせながら記念撮影に興じる人々。訊けば「関西から来ました」と言う団体に実際に会ったことがあるのだが、今では人気スポットにして観光ルートの一つになっている。
そして、一昨年に続いて新たなモニュメントが登場した。昨年2023年シーズン、菊池と大谷が共に2桁以上の勝利を手にした快挙を祝うものだ。縦2メートル40センチ、幅1メートルの板状のモニュメントには、菊池の11勝と大谷の10勝、それぞれの勝利数と直筆サインが刻まれている。また、菊池の日米通算100勝と1500奪三振、大谷のア・リーグMVPと日本選手初となるホームラン王の記録なども記されている。『菊池雄星選手・大谷翔平選手 同時2桁勝利達成記念モニュメント贈呈式』が4月26日に行われ、寄贈した花巻温泉郷観光推進協議会の高田貞一会長は笑顔とともにこう言った。
「菊池雄星選手、大谷翔平選手の2人は花巻の名前を全国はもとより、世界に広めてくれました。感謝して贈呈させていただきました」
野球部員が練習に励むグラウンドの脇に建つ2つのモニュメントは、一般の人たちも自由に立ち寄って見ることができる。高田会長はこうも言うのだ。
「2人がこのグラウンドで練習して世界に羽ばたいていったことを、モニュメントから感じ取ってもらえれば、と」
菊池は今シーズンもトロント・ブルージェイズで進化を続ける。大谷もまた、ロサンゼルス・ドジャースのユニフォームに袖を通し、新たな頂を目指している。花巻東高出身のメジャーリーガーの活躍は、同校はもとより、花巻市や岩手県という地元の大きな誇りであり、励みとなっている。輝かしい軌跡が刻まれた記念モニュメントには、春の温かな日差しがたっぷりと降り注いでいた。