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新たな台風”10号”が発生し、週明けに日本へ接近か、長丁場の大雨に警戒を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

新たな台風”10号”が発生し、週明けに日本へ接近か

熱帯低気圧の情報(ウェザーマップ)
熱帯低気圧の情報(ウェザーマップ)

最新の熱帯低気圧情報(気象庁発表)

タイトル画像にある通り、きょう21日(水)午前9時、フィリピンの東海上で新たな熱帯低気圧が発生しました(関連記事)。そして気象庁からこの熱帯低気圧が今後24時間以内に台風へ発達する見込みとの情報が発表されています。発生すれば台風10号になります。

発生が予想される台風10号は、暴風域を伴う台風に発達しながら週末に小笠原の南へ北上し、週明け26日(月)午前9時には、日本の南の北緯30度近くに達する見込みです。ただこの時点での予報円の直径は880キロあって、まだ東側を北上するか、西側を北上するかで、日本付近のどこにどれくらいの影響が出るかは変わってくることになります。

また予想される時速20キロ程度の速度で北上すると、27日(火)頃に本州付近に近付いてきそうですが、これも1日程度の誤差はありそうですから要注意です。

東海上の太平洋高気圧が鍵を握る

太平洋高気圧と台風の予想(ウェザーマップ発表を筆者が加工)
太平洋高気圧と台風の予想(ウェザーマップ発表を筆者が加工)

今回、発生が予想される台風10号の北上のポイントになるのが、太平洋高気圧の勢力です。現在は日本の南で勢力が強いものの、週末から週明けには、日本付近から日本の南で弱まり、この隙をついて台風が北上してくる計算です。

太平洋高気圧は、週明けにかけて、上図のように、日本の東で強まるため、台風はこの高気圧を壁にみるように北上し、日本付近へ到達する計算が多くなっています。ただまだこの高気圧の予想はブレていますので、高気圧が強まるほど、西側を北上し、弱まるほど、東側を北上することになりそうです。

長丁場の大雨と台風に警戒を

天気と予想最高気温(ウェザーマップ)
天気と予想最高気温(ウェザーマップ)

今後も不安定な天気が続き、急な激しい雷雨に要注意ですが、週末以降の傘マークは日本付近に秋雨前線が横たわるため、より雨の降りやすい傾向になると予想されます。しかも日本の東で夏の高気圧が強まるため、秋雨前線は南北走向となり、ほとんど動きがなくなってしまう可能性もあり、こんなところに台風が北上してくれば、より危険度の高い長丁場の大雨となる可能性も否定できません。

北上が予想される台風の勢力やコース次第では、大荒れとなる所があるかもしれません。最新情報に十分ご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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